
『オーバーロード』最新刊情報

『オーバーロード』最新第17巻
バハルス帝国皇帝ジルクニフは使者の通達によりナザリック地下大墳墓を訪れることになる。アインズ・ウール・ゴウンの宣戦布告。お互いの思惑は交錯し状況は思わぬ展開を迎える…。
『オーバーロード』EPISODE 76 あらすじ紹介
・『オーバーロード』EPISODE 76 あらすじ紹介

・超位魔法”黒き豊穣への貢”、そしてその返礼”黒い仔山羊”によって戦場を蹂躙したアインズは、王国戦士長 ガゼル・ストロノーフの元へと赴く。
・ガゼフがアインズの配下になる条件で、仔山羊の攻撃をやめると約束するアインズだったが、ガゼフはその誘いを断り、逆にアインズに対し一対一の決闘を申し込む。
・アインズをも”殺すことのできる”王国の至宝と、”個として最強の武技”をもって、王国最強が魔導王に挑む!!
・内容&見どころ
・圧倒的格下にもかかわらず、アインズが憧れを抱いたただ一人の存在であるガゼフとの決闘の行く末は…。アインズの下す決断とは!!?
・アインズとガゼフの間に横たわる絶対的な力の壁。ガゼフの持つ”個として最強の武技”はそれを打ち破れるのか??
『オーバーロード』EPISODE 76 は『コンプエース』2023年3月号に掲載されています。
『コンプエース』2023年3月号
『オーバーロード』EPISODE 76 感想
・アインズとガゼフの一騎打ちの結末は…
まあ、当然というかね。アインズとガゼフの間にある、両者の絶対的な実力差は覆りませんよね。ガゼフがブレインたちに”俺の最後の戦い 見届けてくれ”と言っていただけに、戦いすらならなかったのは切ないし、ブレインたちが”見届け”られなかったのも辛いものがある。
ただ、まあガゼフが王国戦士長として見せた、アインズの言うところの”死を覚悟して進む人の意志”はなかなかかっこよかったですね。蘇生可能な状態で死体を返そうと言うアインズの言葉に対しても、即座に蘇生は望まないと答える潔さ。”人の命はたった一度きり だからこそ命をかけた決断は重くなる”というガゼフの覚悟は、この剣と魔法の世界だからこそより一層重たいものに感じます。

ちなみに、アインズも不思議に思っていた、”絶対に勝ち目がないにもかかわらずガゼフが一騎打ちを申し込んだ理由”は”彼の死にによって、王家への恨みを抱く国民を少しでも減らせる”かという考えがあったのだそう。
作品世界での一騎打ちというと、一度それを受けてしまえば、勝者側は一騎打ちの決着後はそれ以上の追撃をするのはヤボ…みたいな展開をよく見かけますが、別にそれをやっちゃいけないという決まりはないんですよね?そもそもアインズの反応からして、そんなつもりは全くなさそうですし、もしそうなら不思議に思うことはないはずだし…。もちろん、ガゼフとしてはそういった一縷の期待もあったのかもしれませんが…。アニメの三期見たはずなんだけど、実際この後どうなったんだっけな…アインズは攻撃の手を引いたんだっけか、覚えてない。
ただ、少なくとも決闘の見届け人であるブレインと には手が出せなくなるわけだから(実際、ガゼフが二人には手出し無用と言っていますし)、ガゼフの死は一時的とはいえ二人の命を守ったことにはなるわけか…。

それにしてもアインズの力なら、もっと低位階の魔法でも殺せただろうに、わざわざ第九位階<魔法遅延・真なる死(ディレイマジック・トゥルーデス)>を使用したのは、ガゼフに対する最大限の敬意をはらって、と言うことだったのだろうか。…確か、アニメで見た時は”高位の魔法でもたらされた死は低位の蘇生魔法では打ち消せない”みたいなことを言っていたような…。この辺りも、望まぬ蘇生をさせられずに済むようにガゼフの意思を汲んだ選択だったのだろうか。
とりあえず、最後の瞬間のアインズの”嫌いではなかったよ”は寂しさがあったな、と。
・“個として最強の武技”と”レイザーエッジ”
さて、王国戦士長ガゼフ・ストロノーふといえば、作中で珍しく人格も実力も伴った好人物だっただけに、この”戦いにすらならなかった”という結末はいささか残念ではあります。しかし、それと同じくらい読者視点からして残念だったのが、王国の至宝である”剃刀の刃(レイザーエッジ)”の真の能力とガゼフが習得していたとされる”個として最強の武技”が描かれることなく、戦いが終わってしまったことですね。

レイザーエッジに関してはアインズをして”自分を殺すことができる”と言わせる名剣。アインズは上位物理無効化(レベル60以下の攻撃によるダメージを完全に無効化する)のスキルを持っています。ただ、アインズの説明によるとレイザーエッジのデータ量は、アインズがデモンストレーションに使った短剣と同程度とのこと。この短剣はアインズに触れたことで逆に破壊されてしまいます。
レイザーエッジも同程度のデータ量ということならば、本来であればアインズの上位物理無効化を通り抜けることはできないはず。しかし、なんとこの剣はそれを可能とするのだそう。アインズも”私の知っている常識を無視している”と言っています。個人的にはこの剣についてももう少し詳しく描かれてほしかったですね。
そして、それよりもさらに残念だったのは、ガゼフが発動すらできずに終わってしまった”個として最強の武技”。発動されることもなかったので名前すら明らかになっていません。

ブレイン曰く、元アダマンタイト級冒険者ヴェスチャー・クロフ・ディ・ローファンが開発するも歳のせいで使いこなせなかったと言われる幻の武技とのこと。さらにいうと、ブレインの話ぶりからは彼の複数武技同時発動の「爪切り」に匹敵する強さを持っているような印象すら受けます。しかし、他は全くの謎に包まれたまま、使い手が死んでしまった この武技。果たしてその真の姿がヴェールを脱ぐ機会はあるのだろうか…。
レイザーエッジにこの”個として最強の武技”、そして人としては高い英雄級のレベル。もし、時間停止がなければ、ガゼフは本当にアインズにかすり傷くらいはつけられたのかもしれません。しかし、本当に、惜しむらくは”個として最強の武技”を見れなかったことよなぁ。
・今月の『不死者のoh!』
ちなみに、今月号の『コンプエース』に掲載のスピンオフ『オーバーロード不死者のoh!」第67話「ナザリックすごろく!」では、ネムたちのためにナザリックを紹介するすごろく作りに励むルプスレギナさんの奮闘が描かれてています。

同じくプレアデス姉妹からユリ・アルファ、エントマ・ゼータが登場。ルプスレギナの作ったすごろくをエンちゃん、ネムちゃん役に”完全に”なりきって遊びます。しかし、三人でアイデアを出し合って仕上げたすごろくをアインズ様の元に持っていくと、なんとアインズ様がネム役で試してみたいと言い出して…

頑張れルプスレギナさん!!