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『キノの旅 the Beautiful World』著: シオミヤイルカ/時雨沢恵一/黒星紅白

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第二十九話「何かをするために・a -life goes on・a-」1/3 感想
『キノの旅 the Beautiful World』第二十九話「何かをするために・a」1/3 の感想です。1/3ということは3話構成なのかな。。
いや〜、それにしてもびっくりしました。
まず、”えっ、誰これ??”ってなりました。これまでに登場したのかな??僕はこの4号前くらいから始めて読み始めたもので…。
で、何に驚いたかって??
いえね。前回まではシズと陸の出会いのお話だったわけですが、今回から新たなお話に入りまして、今月はパート1とプロローグの二本立てでだったんですね。
で、いきなり1P目から髪の長い素敵なお姉さんが登場するわけですよ。

ね?ぱっとみ16、17歳くらいの年頃のお姉さんです。
ただ、彼女と一緒にいるのがエルメスと師匠で、どう考えてもこの人物はキノなんですよ。正直、記憶喪失にでもなった数年後のキノが描かれているのかと思ったら…。
読み進めているうちに、どうやら今回は未来などではなく過去のエピソードであるということがわかりました(笑)
まあ、表紙や扉絵の構図を考えれば一目瞭然だったんですけど…。
わかるだろって??だって、どう見ても普段のキノより、この髪の長い時の方が大人っぽいのですもの。
ちなみに、今回のエピソードは先代キノに命を救われてエルメスとともに「大人の国」を逃げ出してから、一人で旅を始めるまでの間のエピソードのようです。「師匠」とともに暮らして、戦闘や銃器の扱い、旅の心得などを師事していた頃のことですね。キノの年齢も12、3歳の頃のはず。。
…まあ、とりあえず…。
『キノの旅 the Beautiful World』第二十九話「何かをするために・a -life goes on・a-」1/3 ネタバレ感想です。
未読の方はご注意ください。
子供らしい一面を見せるキノ。
朝が来て、キノはエルメスを叩き起こします。
このあたりのテンションはやはり12、3歳の女の子ですね。まだまだ年相応に子供らしい一面が覗きます。師匠の家で楽しく幸せに暮らしているようですね。
「大人の国」でトラウマになるような悲劇を経験したキノですから、幸せそうな姿にはほっこりします。
僕は原作未読で、アニメを少々見たことがあるだけなので、このエピソードは知らないのですが…。
同時掲載のプロローグを読むと、ここで子供らしく描かれている理由がなんとなくわかる気がします。

プロローグは、内容自体はプロローグというエピローグのような感じで今回のエピソードが終わった後のキノと師匠の会話で描かれます。
その時点ではキノは既に髪を切っており、さらに性格もいつも通りの少し大人びた性格になっていました。
どうやら今回のエピソードで経験する”何か”によって、キノは子供時代を終え大人へと成長するようです。
どんな内容のエピソードになるのか、プロローグ含めいくつか匂わされる描写が出てくるのでその辺りも少し見ていって内容の考察をしてみましょう。
壁にかけられたコートとリボルバー
ちなみに働き者のキノですが、どうやら料理の腕は壊滅的なようで…。朝食を作ると申し出ただけで、師匠の顔を引きつらせるほどです(笑)
ただ、本人は自分が下手であるという自覚は皆無のようで…。美味しい食事に目のない今のキノからは考えられませんね(笑笑)
常に楽しそうに天真爛漫に振る舞うキノでしたが、ふと少し暗い表情になり部屋の端に視線をやります。視線の先にあったのは古びた男物のコート。

「大人の国」で自分の命を投げ出してキノを救った先代キノの遺品となった黄色のコートです。のちにエルメスとともに旅に出るキノが、常に羽織っているものですね。
その後、キノは師匠の見守る中射撃の訓練を行いますが、ここでも暗示的に焦点を当てられるものが一つ。

キノが師匠に黙って勝手に持ち出し、以降愛銃として使うことになるリボルバーです。
さらにこの後、キノの訓練を見守りながら師匠がエルメスに語る言葉がどうにもこうにも…ね。
それにしてもキノは師匠のことを本当に慕っているようですね。師匠に甘えるキノ、かわいい。
「運転が上手いだけではレースに勝てない」
師匠はキノに銃器の扱いについてのイロハを叩き込んでいます。
キノの射撃の腕が天才的であることはもはや周知の事実ですが、師匠に”あの子は初めて撃った時から変わらず_天才的ですよ”と言わしめるほどに天賦のものを持っていたそうです。

この上なくキノの才能を認めている師匠ですが、同時にキノのことを心配もしています。
「運転が上手いだけではレースには勝てない」
つまり、バースエイダー(銃器)に置き換えると、”バースエイダーをうまく撃てるだけじゃ打ち合いや殺し合いで生き残れない”ということ。

“危険な世界で生き残りたければ人を打つことを躊躇してはならない”
ただ、こればかりは人から言われたところで本当に理解できることではないし、かえって肝心な時に悩ませてしまうだけなので、自分で知るしかないのだと…そう師匠は語ります。
この発言の直後のコマのキノの無邪気な表情がまた…。
さらにプロローグでは、キノが師匠にリボルバーを返す場面が描かれ、その際に師匠がリボルバーを調べて”すべきことは済みましたか?”と聞くのですよ。
これって、もしかして…。
というか、ほぼ確実に今回のエピソードで”すべきこと”に関連して、キノは初めて人を撃つ経験をしていると見て間違い無いでしょう。
それから、詳しくはプロローグの感想記事に書きますが…。師匠の問うていたキノにとっての”すべきこと”というのは先代キノに関係していることだと思われます。
キノはモトラドの運転が苦手
さて、実はキノの料理下手に加えて、もう一つ意外な事実が明かされます。
のちにエルメスに乗って世界中を旅するキノからは全く想像できませんが、キノは実はモトラド乗りの才能はあまりなかったようです(笑)
たしかに劇中でもたまにエルメスが扱いが雑だと愚痴る場面がありますが…
なんと昔のキノはエルメスが音をあげるほどにモトラドノ扱いが下手くそだったらしい!!

ちなみに師匠はモトラドの乗り方だけは習熟していないらしく、指導はエルメスがするしかないのだそう。
その際にエルメスのエンジンを温めている間に交わした会話で、何気なくキノが”昔の師匠も今みたいに優しかったんだろう”という旨の発言をするのですが…。
その際に間を明けてから目をそらすシーンが描かれているのですが、過去に何かあったのでしょうか??あるいは師匠も過去に人を撃つなど手を汚しているので、ただただ無邪気なキノに思うところがあったのかな。
話の流れ的には後者の可能性の方が高そうですね。師匠はキノに人を撃てる覚悟を持たせて危険な世界でも生きれるようになってほしいわけですから…。
…というわけで、1話目はこの辺りで幕を閉じます。最後のオチは…

倒しっぱなしで放置されるエルメスでした(笑)
というわけで『キノの旅 the Beautiful World』第二十九話「何かをするために・a -life goes on・a-」1/3 のネタバレ感想でした。
同時掲載のプロローグの方もなかなか良い感じなので、今回のエピソードも非常に期待が高鳴りますね。
扉絵に描かれたのが、キノと先代のキノであることから、二人に関係したキノの旅人としてのルーツにも関わる非常に重要なエピソードなのでしょうね。
第二十九話「何かをするために・a -life goes on・a-」は『マガジンエッジ』2019年10月号掲載です。

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