
『グレイプニル』第10巻 あらすじ・見所紹介感想
『グレイプニル』第10巻 概要紹介
まずは『グレイプニル』第10巻の概要についてご紹介。『グレイプニル』第10巻は2021年5月20日に発売になります。
これまで『ヤングマガジンサード』で連載されていた本作ですが、『ヤングマガジンサード』の2021年4月をもっての閉刊に伴い『月刊ヤングマガジン』(毎月20日発売)へ移籍連載することになっています。そのため今後のコミックスの発売日も6日から20日(雑誌発売日)に変更されることが予想されます。
『グレイプニル』第10巻 収録エピソード
- 第59話「今度は私の番」
- 第60話「クレア」
- 第61話「願い、苦しむ。」
- 第62話「守りたいもの」
- 第63話「沸き起こる力」
詳細-
海斗が“不死”の力を使って蘇らせたほのかは、元のほのかとは別の邪悪な存在と化し、この世界を削り取るように少しずつ消してゆく…。修一は失われた過去の記憶を探る中で、自分と海斗との悲しき因縁と、戦わなければならないという宿命を思い出す。そして、クレアとともに「合体のその先」を目指すことに…!? ついに決戦の幕が開く!”
『グレイプニル』第10巻
ちなみに移籍後第一弾のエピソードとなる第65話はコミックス第10巻の発売日と同日に発売される『月刊ヤングマガジン』2021年5月号(>>こちらから読めます)に収録される予定です。ちなみに第10巻収録内容の次の次のエピソードになります!!
*本記事の内容は雑誌掲載時のエピソードを元にしています。
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『グレイプニル』第10巻までの あらすじは…
では、第10巻の見所を紹介する前に、これまでのストーリーをざっくりとおさらいしておきましょう。
海斗と対峙した後、改めて修一の失った過去の記憶を取り戻す必要性を感じた修一とクレアはエレナをおびき出し、その口から過去に何があったのかを聞き出そうとします。クレアの策により格上の能力者であるエレナを無力化し、ほのか事件のあらましを聞くことができたものの、失われた記憶については何も情報を得ることができないままにエレナに逃げられてしまいます。
唯一の手がかりを失った形になった修一達でしたが、スバルとの戦いの際に吉岡が修一の記憶を覗いたという事実から、記憶を取り戻すための新たな可能性を見出します。コミックス第9巻では、吉岡との合体(2段階目)によってついに修一が失った記憶を取り戻す(厳密には取り戻したわけではない?)ことに成功しますが、なんとありえないことに修一の過去の記憶の中で”現在の”ほのかと遭遇してしまうのでした。
『グレイプニル』 第10巻の内容
第10巻は、第9巻収録の最後エピソード第58話「物語の終わらせ方」からの続き、修一の過去の記憶の中での修一とほのかとの対話から始まります。
自らの過去の知った修一は、海斗を殺し、ほのかを止める覚悟をするんですね。そしてクレアもまた最後まで修一とともに戦うために何としても新たな力、二段階目の合体へと至ろうとするのですが…。強大な力には相応の対価があるもの。二段階目に至るためには命を懸けた“ある条件”を満たさなくてはならないことが明らかになります!!そしてクレアが内面に抱えていた感情などについても触れられます。さらにクレアの”友人”も登場するのでお楽しみに!!

一方で、第10巻では海斗とほのかにも焦点が当てられます。海斗のほのかや修一への想いや、ほのかが世界を消そうとする理由などが明らかになります。さらに、修一の記憶の中では修一とエレナの二段階目の力に圧倒されていた海斗でしたが、実はあの時の力は真の実力ではなかったということも明かされるのでした!!
そして、海斗達との最終決戦に備えて準備を進めていた修一たちは、決戦を目前に控えて最後に”いつものように”登校した学校で改めて自分が“守りたいもの”を確認します。しかし、その“守りたいもの”を否定するかのように突如として海斗が死者の軍勢を率いて修一の前に現れるます。音を立てて崩れる修一の”日常”。ついに海斗との戦いの火蓋が切られます!!
『グレイプニル』最新刊情報

【あらすじ】忘れちゃいけなかったーー ここまで来た理由をーー エレナの危機に駆けつけた修一は、ほのかという巨大な闇に戦いを挑む。修一はなぜこの刀を選び、なぜこの場所に立っているのか。失われた記憶の中で、かつての修一が見つけた「希望」とは!? 世界の運命は修一とクレアに託された。合体変身バトルは、ついに終着点へ!!
『グレイプニル』 第10巻見所紹介
前項で紹介した通り『グレイプニル』第10巻はまたまた濃厚な内容となっています。今回はこれまで以上に登場人物達の内面に焦点が当てられたエピソードが多いように思います。
中でももっとも印象的な見所といえばやはり修一とクレアの二段階目の融合が成功するかどうかというところでしょう。さらに修一とクレアだけでなく、敵側である海斗とほのかもそれぞれパワーアップするという胸熱な展開の中、海斗との直接対決も始まり、バトル面でも見所がたくさん!(ちなみに新しい伏線もいくつか散りばめられています。)
一冊全て紹介したいところですが、ここでは個人的に特に印象深かった点をいくつか、さっとだけ紹介します。
- 修一とほのかの邂逅/対話!!
- 修一とクレアの二段階目の融合と絆が!!
- 海斗とほのかの内面が掘り下げられる!!
- 修一とクレアの”日常”の最後の日!!
- 海斗との戦いが始まる!!
・修一とほのかの邂逅/対話!!
まず、これは誰もが気になっていることでしょう。第9巻の終わりで、修一の記憶の中の世界に突如現れた“現在の”ほのか。すでに起きた過去の記憶の中に”現在の”ほのかが現れるというありえない状況、さらに精神世界というも無防備な状態でなんの準備もなく最大最狂の敵と遭遇してしまうという衝撃。その後の展開が気になっていない人はいないでしょうね。
第10巻では、なぜほのかが修一の記憶世界に干渉することができたのか、そして“ほのかの世界”がどういったものなのか、及びほのかが世界を消してしまおうと考えた理由などが明らかになります。ちなみにその過程で海斗が修一に対して”謝りたかった”と話していた内容も明らかになります(←これも考えてみると結構エグいですね)。

伏線らしきものも描かれます。詳しくは伏せますが、修一は“ほのかの世界”においても自分の意思で能力を使うことができることが明らかになりました。これまで取り込まれてしまえば抗いようがないと思われていた”ほのかの世界”に対抗する光明となります。この際、修一の背後に人影のようなものが描かれ、どうやら修一自身の力以外の何かが存在することがほのめかされるかのような…。
それにしても、なんだかほのかは恐怖のビデオ(←古い)みたいな感じですね(笑)
・修一とクレアの二段階目の融合と絆!!
第10巻の最注目の見所である修一とクレアの二段階目の融合の正否に関する点ですが、そこに至る道は簡単ではありません。実は第60話「クレア」にて二段階目に至るためには“ある条件”を満たす必要があることが明らかになります。
さらに、ここでは修一とクレアの絆にも焦点が当てられます。この作品のキーワードは“二人で一つ”ですから、かなり重要な部分になります。姉であるエレナも、修一と出会ってすぐだった吉岡でさえできたのに、自分だけがどんなにあがいても二段階目に至ることができない(というよりも修一と一つになれない)ことにクレアが焦りを感じていることはこれまでにも度々描かれてきました。

さらに“お前が全てを壊したんだ”という海斗の言葉と自分もまた修一同様に記憶を失っていたという事実がクレアにまとわりつき苦しめます。そして、最終的にクレアは自らに向けて引き金を引くことを決意するのです。
今回は常に強くあり続けてきたクレアの誰にも打ち明けることなく胸に秘め続けてきた想いが明かされるという重要かつ印象的なシーンが描かれます。
なぜクレアは自らに向けて引き金を引いたのか?クレアの過去には一体何があったのか??(クレアの過去に関しては新たな謎も!!)
・海斗とほのかの内面が掘り下げられる!!
第10巻では修一とクレアの絆が描かれる一方で、全体を通して海斗とほのかに関してもより深い内面の部分が掘り下げられます。この二人の絆も非常に印象的ですね。
バラバラのようでいて、深いところで繋がっているようでもあり、海斗がほのかに唯々諾々のようでいて、ほのかが海斗を求めているようでもあり…。海斗がその胸の内を明かした際に、ほのかが海斗のことを名前呼びした場面なんかとても印象的です(もしかして名前呼びは初めてなんでは?)。

さらに海斗の修一への執着、(と言うか思い入れ?)も、かな〜り濃厚に匂わされています。海斗は修一を否定したいのか、それとも修一に救いを求めているのか。
以前触れられた“海斗が修一に謝りたいこと”についても明らかになります。これまた、なかなかショッキングな事実なのですが、これがどうも伏線として繋がってきそうな予感も…。
第10巻では海斗もほのかもさらに一段階強くなります。敵側のボス級、しかも圧倒的格上の存在がさらに強力になるなんて…ものすごい絶望的な展開ですよね。
ちなみに、ほのかに関しては 修一と吉岡の”二段階目”を見たことで、独自の戦闘形態を身につけています。これまではひたすらに絶望的なオーラを垂れ流していたかのようだった ほのかですが、戦闘形態を身につけたことでその力にベクトルが付与され、解放を望む死者達を相手にその圧倒的な力が披露されました。
・修一とクレアの”日常”の最後の日!!
そして、これまでの陰惨でシリアスなストーリーが続きましたが、第10巻では束の間の穏やかな日常が描かれます。もちろん、ただただ穏やかなままでは終わりませんが…。この辺りの緩急の催事加減には脱帽ですね。
束の間の日常と言いますのも、海斗との戦いを目前に覚悟し、修一とクレアは最後に学校に行くんですね。そこで久しぶりに友人たち穏やかな時間を過ごし、自分が守りたいものを改めて確認するのでした。このエピソードがその後の修一がした“ある決断”に深みと説得力を与えるんですよねェ。
一方で、クレアも 驚くべきことに、第10巻ではクレアの友人が登場します。今までの言動から、クレアは校内で孤立していると勝手に思い込んでいたので(私だけではないはず)、衝撃的でしたね。

もちろんクレアがはぐれ者であることは間違い無いのですが、どこか厭世的で自分の命を軽んじるような部分があるようにも思えていたクレアがこの場面で見せた笑顔が非常に印象的なのです。
ちなみにこのクレアの友人にも実はちょっとした秘密があったりします!!
・海斗との戦いが始まる!!
そして、最後になりますが、第10巻ではついに海斗との直接対決が始まります。修一たちの計画を知ってか知らずか、海斗の侵攻はその裏をつくかたちになります。急転直下の展開で、このタイミングがまたとんでもないのです。
修一の大切なものが無慈悲に蹂躙されて行く絶望感。そして、上でも書きましたが、ここで修一のした”ある決断”が本当に鳥肌物です。これ以上は説明するのも野暮なので、読んでみてくださいとしか言いようがありませんが、このあたりの展開は僕個人としてはあまりのすごさに背筋がゾクゾクと総毛立つ思いでした。

執拗なまでに修一の全てを奪おうとする海斗。修一を否定するかのように、そして同時に救いを求めているかのような海斗の姿が非常に印象的です。
ほのかを伴わずにやってきた海斗の真意は…。もしかすると、修一たちが仕掛けるのを待たずに襲撃してきた理由もそこにあるのかも…。
さて、修一と海斗の戦いの行方は!!?そして “友人”である二人の結末は!??
『グレイプニル』第10巻は2021年5月20日発売!!是非、ご一読あれ!!
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『グレイプニル』第10巻
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