【鬼滅の刃】第176話「侍」レビュー感想
『鬼滅の刃』著:吾峠呼世晴
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第176話「侍」感想
『鬼滅の刃』第176話「侍」感想です。
ついに上弦の壱・黒死牟との戦いに決着がつきそうです。
それにしても、ここのところ黒死牟と縁壱の回想がちょこちょこ挟まれますが…。
この二人の兄弟もまた切ないですよねぇ。
では『鬼滅の刃』第176話「侍」ネタばれ感想です。
未読の方はご注意ください。
黒死牟と縁壱。
窮地に追い込まれた黒死牟は、度々双子の弟である縁壱に関する記憶を反芻します。
自分たちだけが特別であると慢心していた黒死牟こと巌勝は、自分たちの呼吸の後継がいないということに対してさえ、楽観視し笑っていた縁壱に気味の悪さと苛立ちを感じていました。
実際400年もの間、黒死牟の予想通りに彼らを超えるような才能は生まれることはなく、ましてや上弦の壱である黒死牟の頸が脅かされることなど一度もなかったわけです。
事実”日の呼吸”という強大な力を失い、後世の鬼殺隊は鬼に対し苦戦を強いられ続けてきました。百数十年以上の間、上弦の鬼の一角すら落とせず、一方で柱ですら何人も命を落としています。

後世の可能性を信じた縁壱の考え方は、現実的な立場から見れば夢想的に映るものですし、一方では諦めとも取れてしまいます。下手をすればそのまま後世に優れた才能が出てこない、という可能性もあるわけですから…。
しかし、縁壱は単に夢想に浸っていたわけでなく、たしかに後世に”なにか”を繋いでいました。その”なにか”を受け取った炭治郎が今の世代を、まさしく日の光のように照らし無意識に導いたわけですね。
炎柱・煉獄杏寿郎と蟲柱・胡蝶しのぶが上弦の鬼に敗れたことからも、今の世代が特別に優れているというわけではないことはわかります。少し語弊があるかな??言い方を変えれば、これまで上弦に敗れてきた柱たちが今の柱たちに劣っているわけではありません。
つまり、今の世代が上弦の鬼をも追い詰めているのは、やはり炭治郎の存在でしょうね。炭治郎が縁壱から受け取った”なにか”は、もちろん日の呼吸こと”ヒノカミ神楽”でもありますが、それだけではないでしょう。縁壱の面影が炭治郎と度々重なるのようにその”想い”もまた受け継いでいるようです。
後世の才能たち。。
黒死牟が軽蔑していた縁壱の描いた夢物語。
その未来が黒死牟に迫ってきます。
“そんな未来を想像して何が面白い”
“己が負けることなど 考えただけで腸が煮え返る”
しかし、現実に人でありながら黒死牟の予想をはるかに超える力を持つものたちが現れ、ついには黒死牟の頸を落とします。
さて、黒死牟の”日の呼吸使い手でない者たちが刃を赤く染める”という発言がありました。やはり赫刀は日の呼吸の使い手に特有のものだったというわけです。

縁壱はじめ、痣ものが複数存在した400年前の時点でも日の呼吸の使い手以外で、刃を赤く染めたものはいなかったということですね。そうなると、一体何が原因で無一郎たちは赫刀を手に入れたのでしょうか。
そういえば、以前「月の呼吸」の型の全てがあまりにもおどろおどろしい名称なので、「月の呼吸」は鬼になった黒死牟が「日の呼吸」から派生させて作った独自の呼吸なのではないか…とも思ったことがあったのですが…。
“それぞれの呼吸”という発言から、やはり「日の呼吸」と「月の呼吸」はもともと対になる二つの呼吸で、縁壱と巌勝はそれぞれの呼吸の対となる担い手だったという解釈で大丈夫そうですね。
黒死牟、頸の弱点を克服す。
ついに頸を落としたとはいえ、黒死牟も伊達や酔狂で400年も鬼として生きてきたわけではありません。縁壱亡き世界で、二度と誰にも負けないという誓いと覚悟で永らえてきたのです。
その強い想いが、頸が落ちてなお黒死牟に再生能力を与え、遂に黒死牟は頸の弱点を克服します。むしろこれまで黒死牟が頸の弱点を克服していなかったことも驚きですが…。まあ、頸を落とされることもなかったろうし…。

しかし、頸の弱点を克服した黒死牟の姿は醜くもはや人としての面影もほとんど留めていません。まさしく死をまのがれようと醜く足掻く心そのものが形となったよなバケモノの姿です。
これは猗窩座の到達しかけた姿なのでしょうか…。あまりに醜悪な…。
もしかすると、無惨も隠しているだけで、真の姿はこのように人とかけ離れた姿なのかな??
この国で二番目に強い侍に。。
頸の弱点を克服した黒死牟でしたが、実弥の刀身に映った自らの醜悪な姿に愕然とします。
再びよぎる縁壱の言葉。
“兄上の夢はこの国で一番強い侍になることですか?”
“俺は この国で二番目に強い侍になります”
その言葉と自分の現在の姿との差に…。
“侍の姿か?これが…”

もしかすると黒死牟が強さにこだわり続けたのは幼い頃の縁壱のこの言葉のためだったのかもしれませんね。その後、縁壱の圧倒的すぎる才覚への嫉妬などで歪んでしまったのかもしれませんが、最初はそういう純粋な気持ちから始まったものだったのかも…。
うん、そう信じたい。だからこその縁壱の”お労わしや”の涙に続くのでしょう。
…というか、縁壱はこんな幼子のうちから痣が表出していたのか…。ん?才能ある剣士は生まれながらに痣を持っているのだっけか。つまり、縁壱は生まれながらに「日の呼吸」を、巌勝は「月の呼吸」を修める運命にあったのか。
というか、幼い頃の縁壱は炭治郎と無一郎を足して二で割ったような優しい顔ですね。
お前になりたかったのだ。
体が再生したものの無一郎の刀を刺された部分から黒死牟の体は再び崩れ始めます。さらに技も術も使えず、行冥と実弥の猛攻に体は崩れ去って生きます。
それでもなお生にしがみつこうとする自らの醜い姿に、黒死牟は本当にこれが自分が求めていたのかと、自問します。
“頸を落とされ 体を刻まれ 潰され”
“負けを認めぬ醜さ”
“生き恥”
黒死牟…、巌勝の本当の、そしてただ一つの望みは…
負けたくなかったわけでも、強くなりたかったわけでも、死にたくなかったわけでもありませんでした。
ただ…
縁壱になりたかったのだと…。

巌勝と縁壱、お互いの想いが400年前の時点で通じ合っていれば、こんなに寂しい結末を迎えることもなかったでしょうね。
ただ最後の最後でほんのわずかでも心が伝わったようで、よかったかな。
それにしても…少し残念です。個人的には日の呼吸を受け継いだ炭治郎と黒死牟との対峙を見てみたかったです。
そして…無一郎と玄弥は果たして…。
無一郎は…どうするんだよ。もうバラバラじゃないか…。玄弥も両断されてしまっているし…。二人とも助かる未来が見えない。。
玄弥に関しては、黒死牟が技も血鬼術も使えなかったことから、もしかすると玄弥の血鬼術がわずかながら効き続けている、つまりまだ生きている可能性はありますが…。黒死牟の血肉を摂取していて尚、再生が遅いので…。
う〜ん、どっちも好きなキャラなんだけどなぁ。
そういえば、黒死牟の血鬼術って結局なんだったのでしょう。
というわけで、『鬼滅の刃』第176話「侍」のネタバレ感想でした。
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