『このマンガがすごい!2019』大特集!!

上弦の壱・黒死牟と「始まりの呼吸」の剣士

まずは結論から。

*167話「願い」時点での考察です。

巷では上弦の壱・黒死牟と始まりの呼吸の剣士とが同一人物であるという説が多く有力視されているようですが…。

個人的な見解としては、それは間違いだと思います。

つまり、上弦の壱・黒死牟は、始まりの呼吸つまり「日の呼吸」の使い手である耳飾りの人物とは別人であると…。

さらにいうと、おそらく黒死牟は「始まりの呼吸」の剣士の兄ではないかと考えています。

大方の意見と考えを異にしているのには、きちんと理由があります。別に他と違う事を書いて奇をてらうというわけではないのでご安心ください(笑)

では、順番に見ていきましょう。

「継国」家と黒死牟

まずは黒死牟の素性から。

黒死某の人間の頃の名前は“継国巌勝”と言います。

さらに本人の口から、霞柱・時透無一郎が彼の子孫であることが語られました。

黒死牟は炭二郎の見た”透き通った世界”同様の世界が見え、無一郎の遺伝子を見極められますので、これは確定事項です。

上弦の壱・黒死牟こと継国厳勝

継国家とは古く戦国の時代からある家で、黒死牟の口ぶりからは鬼殺隊と関わりある名家であったようです。

しかし、継国の名は今では絶え、さらに霞柱・時透無一郎の生い立ちからわかる通り家自体もほぼ断絶し無一郎一人を残すだけとなっています。

黒死牟が始まりの呼吸の剣士なのか??

黒死牟が始まりの呼吸の使い手であると言われる一番の根拠は…

無一郎の鎹鴉が、無一郎のことを”日の呼吸”の使い手の子孫であると語っていたことにあります。

霞柱は”日の呼吸”の使い手の子孫!

流れとしては…

“無一郎は始まりの呼吸の剣士の子孫”

“無一郎は黒死牟の子孫”

というわけで…

“始まりの呼吸の剣士=黒死牟”

という図式が成り立つわけです。

無一郎が黒死牟の子孫!!?

もちろん、これだけであれば黒死牟が始まりの呼吸の剣士であっても…まぁ良かったのですが…。

(ここまでの話でも、回想に出てきた日の呼吸の使い手とはいくつか異なる点があり少々違和感を感じていたのですが…)

黒死牟が刀を抜き、”呼吸”を使ったことで違和感が確たるものになりました。

では、黒死牟と「日の呼吸の使い手」の違いを見てみましょう。

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黒死牟と始まりの剣士。痣と耳飾り。

まずは、外見的な特徴から。

「日の呼吸」の使い手の特徴としては、“額の痣”と”耳飾り”が挙げられます。

「日の呼吸」の使い手の往年の姿は、炭治郎の”記憶の遺伝”によって明らかになっています。

確かに黒死牟と似ていますが、よくよく見るといくつか違うところもあります。

「日の呼吸」の使い手

1つ目は髪型。これについては経年変化と言ってしまえばそれまでですが…。

黒死牟の方が前髪が長い!!

そして、2つ目は耳飾り。先ほど書いた通り、この耳飾りは「日の呼吸」の使い手の最大の特徴とも言えるものです。

耳飾りのデザインはおそらく「太陽」を模したもので、さらに炭二郎の家系が大切に伝えてきたものでもあるので「日の呼吸」にとってこの上なく大切なものであると思われます。

黒死牟はこの耳飾りをつけていません。

まあ、実物は炭治郎が受け継いでいるので、当然ですが…。

そして、3つ目は痣の形状です。

作中では明言されていませんが、どうやら痣の形状は「呼吸」の種類に関係しているようです。

また、人によってそれが浮かび上がる場所もまちまちです。

「日の呼吸」の剣士が炭治郎と同じように額の左側のみに炎を思わせる痣が表出しているのに対し、黒死牟は額だけでなく首筋から右顎にかけても痣が表出しています。

黒死牟の痣

おそらくこの痣の出方はおそらく後述する「月の呼吸」を反映しているのではないかなぁと思います。

つまり月は太陽の光を反射して輝くものですから、顔の中心をはさんで額の痣の「日」に対応する右顎の痣が「月」を表している…みたいな。

なので、痣の形状自体は非常に似たものになっているのではないかな…と。

少々話は逸れましたが、以上のように黒死牟と「日の呼吸」の剣士の外見は似てはいるものの、確実に異なるところがあります。

この辺りからも二人が兄弟ではないかという推論が経つわけですが…、結論を急がずもう少し見ていきましょう。

鬼殺刀。漆黒の「赫刀」。

もう一つ「日の呼吸」の使い手の特徴としては彼の使用する赤い日輪刀「赫刀」が挙げられます。

先ほどの「額の痣」と「耳飾り」に加え、この「赫刀」も全てが炭二郎も備えている要素で、そのことが炭治郎が「日の呼吸」の使い手を彷彿とさせる要因ともなっています。

「日の呼吸」の使い手を彷彿とさせる炭二郎

「日の呼吸」の使い手も炭治郎と同じく「漆黒の日輪刀」を持ち、戦う際のみ「赫刀」になったそうです。

炭治郎は上弦の肆・半天狗との戦いで、禰豆子の血によって初めて「赫刀」を得ましたが、「日の呼吸」の使い手がどのようにして漆黒の日輪刀を「赫刀」に変えていたかはまだ明らかになっていません。

一方で、黒死牟の刀はというと…。当然、鬼となった黒死牟が使うのは日輪刀ではありません。

黒死牟の刀

複数の眼がついている不気味な刀で、鬼としての黒死牟の力が大きく反映されたような刀ですが、どう見ても「赫刀」ではありません。

もちろん日輪刀ではない上にまだ本気も出していないようなので、単純に比較するのわけにもいかないのですが…。やはり黒死牟は「日の呼吸」の剣士とは別の人物でありそうです。

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黒死牟の「月の呼吸」

無一郎との戦いでは、ついに黒死牟と「日の呼吸」の使い手が別人であることを決定づけ、さらにその関係性を示唆する事実が明らかになりました。

つまり、黒死牟が鬼であるにもかかわらず”呼吸”を使うこと。そして黒死牟の使う呼吸は「月の呼吸」であることが明かされたのです。

炭二郎が使う「ヒノカミ神楽」が「日の呼吸」であるとすると、黒死牟の使う「月の呼吸」は全くの別物です。

黒死牟の使う「月の呼吸」

「日と月」。対であり表裏の存在です。

つまり「月の呼吸」は、始まりの呼吸「日の呼吸」と対をなすもう一つの呼吸であると考えることができます。

名前からすると種々ある「日の呼吸」から派生した亜種の呼吸ではなく、「日の呼吸」と全くの同格で別系統の呼吸とも思われますが…。

ただ、あくまで月は太陽の光を反射して輝くものですから…。対ではあっても、対等ではないとも考えられますね。

とはいえ、「日の呼吸」に対し「月」という名称は、やはり他の呼吸(炎、水、岩などなど)とは明らかに異なる特別さがあります。

実際、「月の呼吸」は他の呼吸を圧倒(黒死牟の地力によるものかもしれないが…)するだけの強さを見せていますし…。どちらにせよ「月の呼吸」がその他の呼吸とは異なり「日の呼吸」と対になる特別な呼吸であることは確かでしょう。

つまり、黒死牟は「日の呼吸」の使い手と対になるような存在だったと考えられます。

*追記(2019/09/08)

「月の呼吸」の型をまとめてみたところ、あまりにおどろおどろしい名前の型が多いので、「日の呼吸」から黒死牟が独自に編み出した呼吸なのではないかという感じもしてきました。どっちなんだろうか?

2人が対の存在というには、柱3人がかりとはいえなんとか戦えてしまっている黒死牟と、炎柱に剣士としての自信を失わせるまでの強さをもつ「日の呼吸」の剣士では実力に少々差があるようにも感じますし…。どうなんだろうなぁ。

でもまあ、「日」と「月」が対である以上、2人が対の存在であるだろうという推測には変わりありませんので、結論はそのままということで…。

*追記ここまで

鬼狩りの兄弟。。

ここでさらに黒死牟の口から気になるセリフが発せられていたので見てみましょう。

黒死牟は風柱・不死川実弥と鬼喰いの不死川玄弥の兄弟と出会い

“懐かしや…”

という発言をしています。

この直前に”かつて玄弥のような鬼喰いの剣士と戦った”という話をしていたので、このセリフも自分が戦った”鬼狩りの兄弟”のことを懐かしんでいるのかと思ったのですが(コマも小さいし)…。

“兄弟で…鬼狩りとは…… 懐かしや…”

しかし、わざわざ傍点で強調までされている以上、単なる感想で終わるとも思えません。

これが黒死牟自身のことを言っているのだとすれば…。

これまで書いてきた筋に乗って考えると…

黒死牟には兄弟(おそらく双子の弟??)がいて、その人物が「始まりの呼吸の剣士」であった。そして兄弟共に鬼狩りであり、それぞれが「日の呼吸」と「月の呼吸」を修めていたという推論が立ちます。

双子というのは対であるということと、継国の末裔である無一郎が双子だったことからの想像です。日と月の2つ呼吸を司る継国の家は双子が生まれやすいのかと…。

弟とした理由は、黒死牟が無一郎に語ったセリフからどうやら黒死牟が国継家の当主であったようだからです。通常家は兄が継ぎますから、黒死牟が兄と考える方が自然でしょう。

さて、こうして考えると回想で登場する「日の呼吸」の剣士のセリフがいろいろと腑に落ちてきます。

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始まりの呼吸の剣士の諦念

回想で描かれる「日の呼吸」の剣士の言葉は諦めを感じさせるものが多くあります。

“道を極めたものが辿り着く先はいつも同じだ”

など、まるで己の限界を悟り、人生を諦観しているかのようなセリフ。

つまり道を極めた「日の呼吸」の剣士が人であることに諦めを感じ、その後鬼へと堕ちていったのではないかと思わされます。

しかし、彼は炭吉(炭治郎の祖先?)との一連の会話で自身を“なんの価値もない人間”だと言っていますので、上記のセリフが彼自身のことを指すのであれば少々違和感を覚えます。

「日の呼吸」の使い手と炭吉

しかし、それが自分ではない”誰か”を想定した発言であるとすれば…。

さらに、“大切なものを何一つ守れず人生において為すべきことを為せなかった”という発言も…

兄が力を求め鬼となったと考えれば別の見方が出てきます。

最愛の兄が家を捨て鬼になるのを止められなかったことと、鬼になった兄を殺せなかったことに対して後悔を抱いての発言であると考えれば筋が通りますね。

もしかすると、家族も鬼になった黒死牟に殺されてしまったのかもしれません。「日の呼吸」の後継がいなかったのもそのせいかもしれません。

なにより、一方で「日の呼吸」は「ヒノカミ神楽」として炭吉の子孫たちに伝えられ、炭治二郎へと受け継がれました。

つまり、少なくともこの後「日の呼吸」の使い手は自身の技を後世に伝えているのです。このことからも、人であることに諦めを覚えて鬼になったとは考えにくいのです。

*追記(2019/09/21)

第175話「後生畏るべし」にて縁壱のこれらの言葉の真意が明らかになりました。詳しくは第175話「後生畏るべし」のレビュー記事をご参照ください。

無惨を追い詰めた始まりの呼吸の剣士

そして、最後に…

何よりは、耳飾りの剣士が無惨を追い詰めたことは初期から語られている事実です。

さらに、炭治郎と戦った鬼たちの持つ無惨の記憶から、その耳飾りの剣士が「日の呼吸」の剣士であることはほぼ確定しています。

このことが、炭治郎が無惨に目をつけられる原因でもありますからね。

無惨を追い詰める耳飾りの剣士

そうなると、「日の呼吸」の剣士と黒死牟が同一人物であると考えるのはそもそもの話として少々おかしいですよね。

無惨を追い詰めていた「日の呼吸」の剣士が無惨の傘下に入ることもおかしいし、自分を追い込んだ男を片腕として尚その追い詰められた記憶を忘れられないままでいる無惨もおかしいですよね。

もちろん、こじつけようと思えばなんとでも理由はつくのでしょうが…。

まとめ。黒死牟と「始まりの呼吸」の使い手は双子の兄弟!!

さてと…少々長くなりましたが、

以上のことから…黒死牟が「始まりの呼吸」の使い手とは同一人物ではなく別人であることが推察されるわけです。

ということで、本記事の考察内容をまとめてみると…

  • 黒死牟こと国継巌勝は国継家の元当主。
  • 黒死牟と「始まりの呼吸」の使い手は別人。
  • 「月の呼吸」と「日の呼吸」は対になる呼吸。
  • 黒死牟は「始まりの呼吸」の使い手は双子の兄弟。

といったあたりでしょうか。

ちなみに無一郎が「日の呼吸」の使い手の子孫といわれていたのも、黒死牟と「始まりの呼吸」の使い手が双子であるならばあながち間違いではありませんね。

それに、産屋敷が黒死牟のことを知らなかったとも思えませんし、おそらく黒死牟の存在は故意にもみ消されていたとも考えられますから。

それにしても兄と弟で、力を求め悪に堕ちていく兄と、愚直に努力を積み重ねていく弟というのは王道の展開ですよね。

同じく少年ジャンプの某超人気忍者漫画でもあった展開です。

さて、どうでしょう。

黒死牟と「始まりの呼吸」の使い手が実は双子だという本記事の考察。あながち悪い推察でもないかと思いますが…。あってるといいなぁ。

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『鬼滅の刃』レビュー記事

第178話「手を伸ばしても手を伸ばしても」
第177話「弟」
第176話「侍」
“全集中の呼吸”
第175話「後生畏るべし」
第174話「赤い月夜に見た悪夢」
“全集中の呼吸” -花の呼吸-
“全集中の呼吸” -月の呼吸-
第173話「匪石ノ心が開く道」
第172話「弱者の可能性」
第171話「変ずる」
上弦の壱と「始まりの呼吸の剣士」の関係

『鬼滅の刃』考察

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