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塞眼御三家次期当主たち”岐兵馬・八衢菫・辻白百合” :『もののがたり』まとめ

2023年1月16日 - もののがたり
塞眼御三家次期当主たち”岐兵馬・八衢菫・辻白百合” :『もののがたり』まとめ

塞神直系御三家

塞神の神託を受け塞眼の組織を設立したとされる塞神直系の 岐、八衢、辻の三家。現在はそれぞれ岐造兵、八衢黒檀、辻豊穣が党首として立っているが、その次の世代 次期当主は奇しくも三人とも皆 同年代である。

**ネタバレ注意**本記事には物語の重要なネタバレが含まれます。ネタバレ回避のため、一部文章を背景と同一色にしています。反転してお読みください。

・岐家次期当主 岐兵馬

岐家次期当主。21歳。現当主 岐造兵の孫。常世の扉を開く引手”千引岩”を持ち、岐式開門術を使う。かつて唐傘の付喪神に姉と兄を殺されており、付喪神を憎んでいる。そのため、自らの事すら顧みない無謀な付喪神退治に身を投じ続け、その厳しい戦いを生き抜くうちに豊富な戦闘経験と鋼の如く鍛え上げられた肉体、そしてそれらに裏付けられた戦闘力を手に入れた。その結果、唯一京都三大付喪神に匹敵するとされた大妖怪”奥羽の鬼瓦”を十八歳の時に単身討ち滅することに成功している。

過去の一件以来、人を害する付喪神に対しては怒りに飲まれ、壊すことに躊躇いもないほどに憎しみを抱いているが、それ以上に彼らの行為によってこれ以上自分達のような不幸な人間が生まれないように”護りたい”という気持ちが根底に存在する。

元来の真面目すぎる性格も手伝って、付喪神への強硬な姿勢が溶けることはなく、当主の造兵曰く”意志を押し通す力を自得した だから恐ろしく融通が効かない”問題児とのこと。彼の先を危惧した造兵によって、長月家に半ば強制的に居候させられることになるが、そこでぼたんや婚礼調度と触れ合うことで、兵馬にも変化が現れるようになる。後にぼたんを一生守り通すことを誓う。

敬愛していた姉と兄の仇を取るため、彼らが死に際に残した片方ずつの引手を形見として使用し続けていたため、いつからか自らの引手は兵馬に呼応することは無くなった。しかし、ぼたんを守るという新たな使命を得て、自らの引手に向き合い、再びそれを使い闘うことで、岐式開門術真髄”生大刀・千引“に至った。つまり、鬼瓦を倒した際は、形見の引手を使用しており、本来の力を引き出せていない状況だったということになる。ちなみに鬼瓦と戦った時点で、既に主鷹から聞かされた”生大刀”とは別種の奥義にして禁術である掃討結界”空亡”を習得していた。

また、三大付喪神”佐野の大具足”と手合わせした後は自らの力の足りなさを自覚し、岐家の次期当主でありながら、京都塞眼に頭を下げ、その門守式の符術を学ぶなど岐にこだわらず貪欲にいろいろな術を学んできている。更に黄泉路での決戦時には八衢式の纏鎧術をも習得するなど、作中でもトップクラスの技の幅を持つ。

性格はバカがつくほどに真面目で、頑固で融通が効かない。どんな苦境にあっても折れることなく自分を貫き通すことのできる強い心の持ち主である。婚礼調度からはぼたんと添い遂げるのに必要な素質である「強固な意志とそれを貫く力」のどちらをも兼ね備えた人物であるとして、ぼたんの旦那候補と見做されている。

・八衢家次期当主 八衢菫

八衢家次期当主。20歳。現当主八衢黒檀の娘。八衢式開門術を使い、その真髄”生弓矢“にも至っている。幼少時から合同稽古などで兵馬とは度々顔を合わせていた仲で、その後の兵馬の行いも当然知っており、そのことから兵馬のことを認めていない。また、”今年で二十の乙女”ゆえに兵馬からの”ちゃん”づけ呼びに不満を持っている。恋愛ごとには疎く、歳のわりに非常に純情な面もある。実は可愛いもの好きで猫型のクッションなどを愛用している。

雅楽寮の一件以降、ぼたんの護衛任務として同じく御三家次期当主 辻白百合と共に長月家に居候することになる。間違いの許せない正義感の強い子だが、融通の効かないところがある。自分が正論だと思っていたところに待ったが入ると混乱して固まってしまう。ぼたん曰く兵馬と似たもの同士。

そのように、兵馬に負けず劣らず、生真面目で頭が硬いため、引っ越し初日から長月家の”しきたり”に面くらい、更にそれに順応している兵馬の姿に愕然としていた。その後、自室にて自らの理解の及ばない状況に混乱し、頭から煙を出し、クッションに身を投げる様子が描かれている。

幼少時に父 黒檀が語り聞かせた塞眼の正義を胸に刻み、非情でも非道でも自らの正義を為すという堅い信念を持ち、”正しくあること”に固執する。その信念に従い人に仇なす付喪神(唐傘)に憑かれた 父 黒檀を目に涙を浮かべながらも自らの手で粛清した。

黒檀の死後は、自らが当主として八衢を立て直し、今度こそ八衢を正しい道へと進ませ”正義の味方”になると覚悟を決めた。

非常にきっちりとした性格で、どんなことも なぁなぁのままには終わらさず筋を通し、きちんとケジメをつけようとする…のだが、生来の不器用な性格のせいか、気負いすぎて大切なとこで”やらかす”ことが多い。兵馬にさえ”スパイ活動は向かない”と言われているほどである(向かないのはどっちもどっちなのだが…)。内罰的なタイプ。

やや危なっかしい面もあるものの、次期当主としての実力は確かで、”生弓矢”の射手としては既に熟練の域におり、更に右目に宿る”玉眼”の付喪神の力も使うことでその矢が捕らえられないものはないほどの極地に達する。その射手としての実力に加え、八衢式”刻態符”や”纏鎧術”も使いこなす。相手の技を知っていたことや、相手が既に白百合の天詔琴で左腕を損傷していたことのもあるが、唐傘に食われた師範クラスの討伐隊メンバーの一人を生弓矢を使わず単独で撃破している。

・辻家次期当主 辻白百合

辻家次期当主。17歳の現役女子高生。現当主 辻豊穣の曾孫。辻式閉門術を使い、その真髄”天詔琴“にも至っている。既に茶道、書道、華道、香道を習っている正真正銘のお嬢様で、豊穣曰く”誰に似たのかのんびりとした性格”の持ち主。

雅楽寮の一件の後、菫と同様にぼたんの護衛任務として長月家に居候することになる。読書が趣味で、山ほどの引っ越し荷物の7割が本だった。ちなみに実家にはその5倍ほどの量あるらしい。

生来”突っ突きたがり屋”であり 恋バナが好きなため、持ち込んだ本のジャンルは七割型がラブストーリーである。そのため婚礼調度イチ少女漫画を読んでいる鏡とは馬があい、早い段階から懐かれている。しかし、本人の恋愛経験は”無”。やや爛れた恋愛妄想に走りたがるきらいがある。

しかし、本人は自分にとっては”恋愛はあくまで物語でしかない”と語る。その理由は、辻家の役目”物見る人形”に由来する。辻は常に一歩引いた立場から、己の心を殺し、情に流されることなく物事を客観視することが仕事であり、次期当主である白百合もまたそのために幼少の頃から自分を消すように教えられてきていた。それゆえに、感情を伴う間柄やそこに起こる出来事は白百合にとっては全て他人事でありフィクションであったのである

しかし、長月家で過ごす中で、ぼたんを守ろうとする兵馬の姿や、血のつながりのない家族のためになら汚れることすら厭わないぼたんの姿に、あまりの眩しさを感じ、気がつけば自らの感情で彼らを助けたいと願うようになる。そして、彼女にとってのフィクションはフィクションではなくなる。このためか、八衢黒檀の一件以降、より突っ突きたがり屋の地が出るようになる。

次期当主三人の仲で最も年若いが、その精神力や状況を見通す能力は既に次期当主として十分な素質を見せている。しかし、如何せん体力がなく閉門術も真髄に至って入るが、日に2度”天詔琴”を展開するだけで丸二日寝込んでしまう。

黄泉路での決戦を前に、腕を失った豊穣代わりとなるべく 必要な全てを叩き込まれ、当主を引き継ぐ。そして、兵馬たちの帰路を確保しつつ、現世への常世の影響を最小限にとどめるために、常世と現世の扉を閉じ切らない限界の隙間で維持するという重大な役割を担うことになる。これは異界を隔てる巨大な扉を指先のみで支えるようなもので、白百合にかかる負担は計り知れない。

開戦直後に唐傘”凩”が現世へと現れ出てきて、反撃することも、逃げることもできない白百合を痛ぶるが、その間も微動だにせず扉の維持のみに集中し続けるという途轍もない集中力と精神力を見せた。


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