メニュー

『もののがたり』塞眼御三家と引手の力 “生大刀・生弓矢・天詔琴” まとめ

2023年1月10日 - もののがたり
『もののがたり』塞眼御三家と引手の力 “生大刀・生弓矢・天詔琴” まとめ

『もののがたり』最新刊情報

『もののがたり』第15巻

**2023年1月19日発売**
【あらすじ】常世と現世を繋ぐもの――“付喪神”。付喪神に奪われた青年・兵馬と付喪神を愛する少女・ぼたん。絆を深める二人の縁を引き裂くのは常世の奥底に生まれし存在“藁座廻”。門守の符術“鬼来迎”により召喚された、雅楽寮と八衢黒檀、そして挂の活躍により唐傘勢力を撃破していく塞眼たち。そして、婚礼調度は因縁の敵・時雨との最後の戦いを開始する――!! 絆と恋の付喪ノ語り、激闘必至の第十五巻。


✨✨第15巻見どころ紹介はこちら✨✨

塞神直系御三家

付喪神を取り締まる塞眼には古に塞神から信託を受け、現在の塞眼の組織を立ち上げたとされる塞神直系と呼ばれる岐、八衢、辻の三家が存在する。それぞれの家名は境界の神である塞神の別称”岐の神”、”八衢比古”、”辻の神”に由来すると思われる。

引手は塞神直系家に連なる塞眼のみに許された宝具であり、塞神から賜った力の分け身である。直系家の塞眼は引手を使うことで己の中にある塞神の力を発揮するとされる。

引手は塞眼一人一人に固有のものが与えられ、ひとつひとつの意匠は異なる(例外として岐鼓吹と岐隼人の引手は同じ意匠)。他人の引手を使ってもある程度の力を発揮することができるが、最大限に力を引き出すには術者と本人の引手との呼応が必要である。また、持ち主が死んでも引手が失われることはない。

御三家各家の引手はそれぞれ”生大刀”、”生弓矢”、”天詔琴”と呼ばれる異なる力を持ち、付喪神を常世に還す”御霊送り”は、三家の異なる引手の力を連携させることで執り行われる。ちなみに、”生大刀”、”生弓矢”、”天詔琴”は素戔嗚尊が持つとされた出雲の三種の神器。


岐家

奥羽塞眼をまとめる塞眼御三家の一角。現当主は岐造兵。

作中に登場した岐家の主だった塞眼は、現当主岐造兵に加え、次期当主で主人公の岐兵馬、岐の鬼札と呼ばれる岐主鷹(兵馬のはとこ)、そして物語開始時で既に個人ではあるが岐鼓吹と岐隼人(兵馬の姉と兄)。

長月ぼたんの祖父 朧が奥羽塞眼だったことから、長月ぼたんの管理及び、彼女に付き従う京都三大付喪神の一つ”長月の婚礼調度“の管理も行なっている。当主造兵の人柄から御三家の中では付喪神に対してかなり穏健派。

引手は円形で、”千引の引手と呼ばれ、”正しく”常世への扉の引き手”である。引手の道筋には一瞬ではあるが常世への扉が開かれ、それに触れることは常世へ踏み入ることを意味し、現世と常世の断りの違いにより現世のものは消え失せる。元々が常世の存在である付喪神に対してはまさしく絶対的な力である。

岐の引手術は引手の性質から”開門術”と呼ばれる。術者が己の引手と呼応し、己の中の塞神の力を最大限引き出すことで”真髄”に至る。その力の名は”生大刀”と呼ばれ、引手に対応した1対の大刀が生成される。大刀は二つの引手それぞれに対応して作り出されており、通常のこの一対の状態を”生大刀・千引(チビキ)”とよび、力を抑えてその半分(片方だけ)を生成する状態を”生大刀・五百引(イオビキ)”と呼ぶ。

これはおそらく引手によって開かれた常世との扉が大刀の形に凝縮されたもの、いわば大刀の形に維持された常世であると考えられ、生大刀の一撃は付喪神にとって致命傷となり得る。生大刀によって削られた箇所は強制的に現世との縁を絶たれるため、修復するには長い年月をかけて再びその部分を現世に馴染ませる他に手段はない。

同様の性質を持つ後述の八衢の生弓矢との違いについては詳しくは説明されていないが、”御霊送り”の際に岐が扉を開くことを担当していることから、扉を”維持”することに秀でているのではないかと考えられる。

八衢家

奥羽塞眼をまとめる塞眼御三家の一角。現当主は八衢黒檀。

作中に登場する主だった八衢家の塞眼は、現当主の八衢黒檀に加え、次期当主八衢菫、黒檀の妻にして菫の母である誅伐者筆頭 八衢紅緋。

京都三大付喪神の一つ”本庄の雅楽寮“の管理を担う。当主の黒檀は付喪神に情を持たずに冷静沈着に物事を進める合理的思考の持ち主で、かなりの強硬派。穏健派である岐家当主 岐造兵とは一触即発の張り詰めた関係にある。

引手は四角形で、岐の引手と同じく常世への扉を開く力を持ち、”八衢式開門術”を操る。その”真髄”は”生弓矢”と呼ばれる”防御不能の高速異界開放”で、引手で開いた異界を指先で照準を合わせた方向に弓矢のように飛ばす。

その速度は文字通り防御不能の光の速さであり、京都三大付喪神の一つである”婚礼調度”をもってしても一瞬 光が瞬いただけのようにしか捉えられない。矢の性質は岐の大刀と同様で、触れたものの現世との縁を強制的に消し去る。

上記の通り、岐の”生大刀”の力と似た力を持っており、その差異については作中でも詳しくは説明されていない。本来はマレビトを常世へ送り返す”御霊送り”において、その”道筋”となるのが八衢の生弓矢であるということから、異界をある程度維持しつつ、それを”放つ”ことに秀でていると考えられる。

辻家

奥羽塞眼をまとめる塞眼御三家の一角。現当主は辻豊穣。

作中に登場する主だった辻家の塞眼は、現当主の辻豊穣に加え、次期当主 辻白百合、そして塞眼武術総師範 辻塵外。

京都三大付喪神の一つ”大具足 挂“の管理を担う。

引手は木瓜形で、御三家の中で唯一常世との門を”閉じる”力を持ち、”辻式閉門術”を操る。辻の引手は”閉じる”事で現世の不可思議をかき消し、全てをありのままに分け隔てる機能を持つ。辻式閉門術の真髄は”天詔琴”。

“天詔琴”は岐家の”生大刀”、八衢家の”生弓矢”のように武器のような実体を持つわけではないが、ある一定の領域に干渉する力で、その領域内の全ての神通力を”閉じる”ことができる。その範囲や時間は調整可能 。作中では白百合が京都塞眼の付喪神収容所を丸ごと覆うほど”天詔琴”を発動させた。また例えば一瞬だけ”閉じる”だけであれば、元々神がかった存在である付喪神は存在が消えることはなく、すぐに再び力を宿し始める。

さらに、同じく塞神の力である”生弓矢”をかき消すことも可能(作中では描かれていないがおそらく”生大刀”もかき消すことができると思われる)である。

御三家の中では他二家と比べて、引手の力は己が戦うことには向かないが、その力の性質からか、辻家の者は”物見の人形(ひとかた)”と呼ばれ、常に一歩引いて物事を客観視することが仕事で、御三家の中で”裁定者”としての立場を持つ。


>>『もののがたり』 オニグンソウ レビュー感想記事一覧

>>『もののがたり』 オニグンソウ レビュー最新話感想

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です