『もののがたり』最新刊情報
『もののがたり』第15巻
**2023年1月19日発売**
【あらすじ】常世と現世を繋ぐもの――“付喪神”。付喪神に奪われた青年・兵馬と付喪神を愛する少女・ぼたん。絆を深める二人の縁を引き裂くのは常世の奥底に生まれし存在“藁座廻”。門守の符術“鬼来迎”により召喚された、雅楽寮と八衢黒檀、そして挂の活躍により唐傘勢力を撃破していく塞眼たち。そして、婚礼調度は因縁の敵・時雨との最後の戦いを開始する――!! 絆と恋の付喪ノ語り、激闘必至の第十五巻。
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『もののがたり』第七十四話「追想 ツイソウ」あらすじ&レビュー感想
『もののがたり』最新話レビュー感想!!
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『もののがたり』第七十四話あらすじ
まずは『もののがたり』第七十四話「追想 ツイソウ」 のあらすじを紹介します。
【第七十四話「追想 ツイソウ」あらすじ】
“正直焦ってたんだよ ジイさん 俺も 鼓吹も”。その思い出の主は…。天日の脳裏をよぎる隼人の思念。そして”あの日”のことが明らかになる。誰もが認める天才 岐隼人と鼓吹。若くして当主をも超える実力を身につけた彼らは、祖父 造兵のため一日も早く当主として認められるべく奮闘していた。功を焦る隼人たちだったが、日の兵馬の言葉にを界に弟の教育になるような活動を心がけるようになる。そんな折、二人は神社の境内でうずくまる”ある迷子の付喪神”と遭遇する。突如として襲いかかってくるその付喪神と交戦することになった二人だったが、その場所には”術返し”の陣地形成符が貼られており、あの悲劇は起こる。失われゆく意識の中、祖父 造兵へ 自らの思いを独白する隼人。そして、その思念を飲み込み、天日は笑う。塞眼の来訪を待ちながら…。
というのが、第七十四話「追想 ツイソウ」のざっくりとしたあらすじです!!
ついに、自他共に認める岐家の不世出の天才 鼓吹と隼人の生前の姿と、彼らが如何にして藁座廻し 天日に敗れたのか、が一部ではありますが描かれました。
何故それ程の力を持った2人がたった一体の付喪神に敗れたのか、正直あまり腑に落ちていなかっただけに、これはなかなかに思うところが多いエピソードでしたね。では早速感想といきましょうか。
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『ウルトラジャンプ』2021年1月号
第七十四話「追想 ツイソウ」レビュー感想
隼人の思念。岐鼓吹と隼人の過去は…。
まず一点。本題ではないのですが、こちらもずっと疑問に思っていた謎が解消されました。というのも、何故未だに造兵が当主として第一線に立っているのかと言うことなのですが…。造兵の息子、つまり兵馬たちの父親である岐弾正は早逝しているのだそう。考えてみれば、ぼたんの反魂式の際も弾正は登場していませんでしたし、兵馬が生まれてすぐくらいに亡くなっていたのかもしれませんね。
そんなわけで造兵が当主として人一倍働きながら、鼓吹や隼人を育てていたらしく、そんな祖父を少しでも早く休ませてあげたいと言う思いが鼓吹と隼人が少し焦っていた理由だったんですね。当初は任務以外で付喪神を調伏するなど手柄の横取りまがいのことまでしていたみたいです。とはいえ、弟である兵馬からのまっすぐな尊敬の視線や言葉に二人は少し冷静になります。
造兵も彼らの力は認めていたものの、その”清さ”を汚したくはないという思いで当主の引き継ぎに踏み切れずにいたらようです。やはりどこまで行っても穢れとしか言いようもない存在もいて、当主となればそういった類とも渡り合う必要があります。そしてそのためには経験を積み、少なからず自身もその世界に足を踏み入れる必要があります。
造兵はまだ年若い孫たちにあえて急いでまでそのような経験をさせたくないと言う思いがあったのです。当主としてと言うよりは祖父としての思いですね。しかし、そんな思いをよそに鼓吹と隼人はより深く常世よりの”悪神”とすら呼べる付喪神に遭遇し、”あの悲劇”が起きてしまうわけですね。
とはいえ、その”清すぎる”面が悲劇を引き起こしたとも、必ずしも言えなさそう…な。二人とも天日の騙し打ちには完全に対応していましたし(その辺はさすが当主をも超える技量の持ち主なだけありますよね)。それでも、二人が”汚れ”を知っていたら違う結末になっていたのだろうか…。
それにしても兵馬がその場に居合わせたのにもちゃんとした理由があったんですね。そして彼らの引き手が兵馬の手元にあった理由も明らかになりました。こんな過去があれば、兵馬が二人の引き手を使い続けたのも頷ける。
不世出の天才がたった一体の付喪神に敗れる!!?
そして、これまでの話の中で個人的に一番腑に落ちなかったのが鼓吹と隼人の敗北です。と言うのも、藁座廻し”天日”と対峙した当時で既に鼓吹も隼人も二人ともが造兵を技量の面では超えていたわけです。つまり、御三家当主クラスが二人がかりで対峙して、天日一体に敗れたと言うことになるんですよね。
それに、ここのところ塞眼トップクラスの実力者や婚礼調度であれば藁座廻しとも渡り合えている(討伐隊の全滅は情報漏洩が原因)感じの描写がされていたので…。
“不世出の天才”と称されるほどの二人が、それも二人がかりでたった一体の付喪神に敗れると言うのはなかなかに信じがたいことだったんですよ。今回のエピソードで、その全てが描かれたわけではないのですが、明らかになったいくつかの新事実から、二人の天才が敗れたのも納得しました。
一番衝撃的だった新事実は、鼓吹と隼人は唐傘に偶然遭遇したのではなく、明確な目的を持って誘い出されたらしいと言うことですね。と言うのも、天日からの襲撃を受け、鼓吹が符術を発動した際に”符術効果の逆流”が発生します。これは塞眼の使う”術返し”の陣地形成符がその領域に貼られていたことによります。
唐傘陣営が塞眼の符術に精通していたのは、おそらく八街黒壇のせいだと思われます(黒壇が唐傘と手を組んだのはこの時点よりもさらに前)。となると、なおさら彼らが標的にされていた可能性が高いですね。
とにかく、予想外の”術返し”によって、鼓吹は初手から大ダメージを負ってしまうことになりますから、隼人は鼓吹を守りながらの戦いを強いられることになったのでしょう。
付喪神が何故塞眼の術に精通しているのかという動揺や、それによる戦い方の制限なども彼らが不利に回った理由の一つなのだろうな。その辺りが造兵の言う”汚れ”を知らないと言う部分だったのかな。
そしてさらに、唐傘 天日がただ常世から”さ迷い出た”のではない、より深くより常世寄りの現世を侵食する穢れである”悪神”とも呼べるの存在であったと言うのも鼓吹・隼人が敗れた理由の一つでしょうね。藁座廻しの、しかも”名持ち”の4体の中でも天日は別格に強いのではないかと思ってしまいますよね。
天日が兵馬と対峙した際に口にしたのか言葉、すごく気になります。あくまでセリフを伏せているだけなのか、それともこの時点ではまだ人の言葉をしゃべれなかったのだろうか…。そもそも天日についてはぱっと見では、まだ人化も未熟な”常世”から”さ迷い出た”ばかりの付喪神のような感じでもあるんですよね。
ちなみに、造兵は隼人の体を取り込んだ直後の天日と対峙していましたね。弾正の早逝の理由はわかりませんが、息子に続いて孫の死をも経験しなくてはならなかった造兵の胸の内は計り知れない…。
「もののがたり」第七十四話「追想 ツイソウ」『ウルトラジャンプ』2021年1月号収録です。
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『ウルトラジャンプ』2021年1月号
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**2023年1月19日発売**
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