
『もののがたり』最新刊情報

『もののがたり』第15巻
**2023年1月19日発売**
【あらすじ】常世と現世を繋ぐもの――“付喪神”。付喪神に奪われた青年・兵馬と付喪神を愛する少女・ぼたん。絆を深める二人の縁を引き裂くのは常世の奥底に生まれし存在“藁座廻”。門守の符術“鬼来迎”により召喚された、雅楽寮と八衢黒檀、そして挂の活躍により唐傘勢力を撃破していく塞眼たち。そして、婚礼調度は因縁の敵・時雨との最後の戦いを開始する――!! 絆と恋の付喪ノ語り、激闘必至の第十五巻。
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『もののがたり』八十二話「門火|カドビ」あらすじ&レビュー感想
『もののがたり』八十二話「門火|カドビ」あらすじ紹介

まずはこれまでのあらすじを踏まえて『もののがたり』八十二話「門火|カドビ」 のあらすじを紹介します。
*『もののがたり』八十二話「門火|カドビ」は2021年9月18日発売の『ウルトラジャンプ』10月号に掲載されたエピソードです。
【第八十二話「門火|カドビ」 簡単あらすじ解説】
現人神の天恵をえた”藁座廻” 時雨と吹雪を筆頭に、無尽蔵かつ圧倒的な傘陣営の戦力の前に劣勢を強いられる兵馬たち塞眼陣営。現世で扉を支える白百合の身にも”藁座廻” 凩の魔の手が迫る。さらに討伐隊で唯一 消息不明となっていた椿が唐傘に取り込まれた姿で、塵外と戦う門守代表の前に現れる。もはや塞眼陣営に打つ手無し、とも思われたが、門守代表の命を刈り取るかに見えた椿の鎌は塵外を討つのだった!! そして、門守代表の”黄泉平坂”だからこそ使える塞眼の禁忌を犯した奥の手が発動する!! 果たして、劣勢を覆せるのか!!?
よっしゃ!!やっぱり椿、最高っ!!…えっと、なんでしょう。とりあえず、今回のエピソード、背筋がゾクっとするくらいかっこよくて、読み終わってからしばらく高揚感がおさまりませんでした。まずはすでに書きましたが椿がやはり最高にクールですし、門守代表の”奥の手”も反則ですよね。ある種、術の極致とかって、さすが巫術百段だし、その覚悟にも震えます。そして何より、その術の結果(効果?)が本当に!!言い表せないレベルの興奮を掻き立てます!!
それでは八十二話「門火|カドビ」の感想です!!
『もののがたり』八十二話「門火|カドビ」は『ウルトラジャンプ』2021年10月号に掲載されています。感想を読む前に、本編を読んでおきたいという方はまずは下記リンクから購入できます。
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『ウルトラジャンプ』
『もののがたり』八十二話「門火|カドビ」レビュー感想
“まだだ”。門守椿、戦場に返り咲く!!

まずは、おさらいですが、正直、現時点で塞眼陣営はどう足掻いても勝ち目がない状況まで追い詰められています。それこそ兵馬なんて 師範クラス3人に阻まれ、”空亡”に匹敵する大技を仕掛けられますし、白百合は扉の維持で身動きひとつ取れない状態にも関わらず、彼女を襲う凩を誰一人止めることができません。さらに現人神の天恵により常世の穢れを放つ現能を得た時雨と吹雪の前に、婚礼丁度も八衢母娘も絶体絶命状態です。そんな中、討伐隊壊滅後 消息を経っていた門守椿がついに現れますが、残念ながら彼女の目もまた唐傘に取り込まれたものの目をしていたのでした。
そんなどうしようもない状況で迎えた、今回のエピソードですが、前回のエピソードの感想で、こうなってくれればいいなぁ、と書いた通りの展開になってくれました!!最高に嬉しいです!! つまり、椿は唐傘に完全に取り込まれておらず、彼女の一撃も門守代表ではなく、塵外師範を切り裂いていたのです!!
やっぱり、椿は最高ですね。そもそも、あれほどの才能と、執念を持つ椿がそう簡単に唐傘の手に落ちるわけはないとは思っていたんですよ。ただ、なぜ彼女が唐傘に支配されずにいれているかについては謎のままです。実際、片目は確実に唐傘に取り込まれたものたちと同じ目をしていますし、先の戦いで致死級の重傷を受けたことも報告されています。その椿が今 塞眼として戦えているのは事情があるようですが…。
もしかすると、椿が完全に死ぬ前に肉体を唐傘に取り込まれたとかで、内面で椿と唐傘の精神が支配権を奪い合っている…とか?完全に支配されてしまったら、両目が波紋状の瞳になるとか…だったり? そういえば長月家で唐傘に取り込まれた討伐隊と戦った時、兵馬と共闘した造兵もはじめのうちは目が普通でしたね。もし造兵が椿と同じような状況だったとすれば、あの時の造兵はまだ造兵 本人の人格だったのだろうか…。
巫術百段。禁忌を犯す奥の手!!

そして、娘 椿に救われた形で、奥の手を発動される機会を得た門守代表でしたが、この奥の手がまた最高なんですよね。その名を”外式 傀儡符 鬼来迎”。詳しくはここでは書きませんが、簡単に言うと傀儡符の派生ですでに死んでいる縁のある人間、及び 付喪神の魂を縛り戦わせるという術です。某 有名忍者漫画の”穢土転生”みたいな感じですね。
これがもう最高でしてね。何が、最高かというと、この術はある意味では”極致”なのです。もちろんどこでも使えるわけでなく、死者の魂の在る”黄泉平坂”でのみ使えるという”限定的”なものですが…。それを短期間で編み出している門守代表が、さすがは巫術百段と呼ばれるだけのことはあります。術の”極致”というだけでも、興奮しますが…。
同時にこの術は死者の魂を縛り、強制的に戦わせる(?)術であるので、いわば魂を弄ぶ禁忌に触れる術になります。それをわかった上で、なお自らの手を汚す門守代表の覚悟、そして その覚悟を理解した上で、あえてその覚悟の有無を尋ねる辻豊穣との会話も渋くてたまらない。”使えるモンはなんでも使う”のモットー、響きましたね…。だって、代表は元々椿の死を覚悟していたわけですから、術の考案時は 最悪娘の魂も縛る覚悟だったわけですよ。椿が死んでたり、唐傘に取り込まれたりしてなくて本当よかったね(まだ予断は許さなそうな状況ですが…)。
そして、何よりは術がもたらした結果ですよ。”鬼来迎”によって、兵馬、八衢母娘、婚礼丁度の戦場にそれぞれ一と組ずつ、助っ人が現れます。術の特性上、呼び出される魂というのは、これまでに兵馬たちに縁の深いたちになります。兵馬の戦場と八街母娘の戦場に現れたのは、それぞれかつて激戦を繰り広げた2組の強敵たちです(もう一人婚礼丁度の元に現れた人物が誰なのかはまだ隠されています)!!

この演出最高すぎますよね。敵ではあるものの鮮烈な印象を残したあのキャラクターたちが、今度は仲間として現れるなんて!! 2組のうち兵馬の元に駆けつけた1組は伏せておきますが、八衢母娘の元に現れたのは、なんと八衢家前当主 八衢黒檀です!!
やっぱり、黒檀カッコ良いですよね。というか、個人的には 菫と紅緋の元に、黒檀が現れたという時点でもう泣ける…。ここに現れた黒檀は、唐傘に精神を汚濁される以前の、紅緋が慕い、菫が尊敬した気高く理想に生きた八衢家当主 その人のはず。本来の黒檀の戦いが見れるのも最高ですし、何よりすみれちゃんは黒檀と、ちゃんとお別れできていませんでしたからね。この種の死者を蘇らせる系の禁忌技は、”もう一度お別れができる”という点がいいですよね。
この”鬼来迎”という術、傀儡符の派生ということですが…。今のところ、呼び出された魂たちは、自分の意思でもって戦えているようですね。婚礼丁度の元に現れたのは誰だったんでしょうね。そもそも あれはどの部位が描かれたんだろうか? 婚礼丁度に縁があって、第一級の実力者で、すでに死んでいる人物(付喪神)で、唐傘に取り込まれていないとなると…。誰がいるかな?造兵か あるいはぼたんの祖父である朧あたりかな??
“最強”復活 大具足。そして…反撃開始!!?

そして、最も手のうちようのなかった現世、扉を維持し守る辻白百合の元には最強の付喪神 大具足 挂が顕現しました!!白百合、及び現世に残っていた塞眼たちを蹂躙していた藁座廻 凩は、斎を害し 挂を異空間に閉じ込めた張本人ですので、因縁の相手にもなります。
ただ、挂に関しては、そもそも現世ですし、門守代表の”鬼来迎”とは関係ありません。つまり、挂が自力で出てきたことになります。どうやったのかは詳しくは説明されていませんが、その手段には岐 主鷹の遺体が関連しているようです。岐の引き手で空間をこじ開けたということなのかな?しかし、スーサンの肉体が崩壊していくのはなんだか悲しいなぁ…。
何はともあれ、白百合がこれ以上 凩に嬲られなくてよかったです。前回 凩に叩かれて、彼女の頬が腫れ上がったのは、ほんとに痛々しかったですから。無抵抗状態の少女がいたぶられること程 不快なものもありませんしね。
さあ、強力な助っ人たちも訪れ、いよいよ塞眼たちの巻き返しでしょうか!!このオールスター感がさらなる高揚感を煽るんですよね!!
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