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『プランダラ』著:水無月すう
『プランダラ』レビューリンク
第25話「閃撃の撃墜王」感想
遂にリヒトーが「閃撃」の撃墜王として目覚めました。
その人智を超えた力で、無双を誇ります。
結末からすると、絶対に悲劇しか待っていないはずの過去編がまさかのものすごくいい雰囲気で盛り上がります。
残念ながら、最後はなにやら不穏な感じで終わりますが…。
それでは第25話「閃撃の撃墜王」のネタバレ感想です。
未読の方はご注意ください。
「ウサギ」と「カメ」
シュメルマン曰く、今までリヒトーは時風や道安といった「ウサギ」と比べれば「カメ」でした。
しかし…
” 今やー 君以外の全人類がカメになったということをー “
そしてバロットの複製品である太刀を授けられます。

バロットはリヒトーの力を増幅してくれるそうです。
しかし、そのためには何を“枷”にするかを決め、カウントを刻む必要があります。
シュメルマンの言った”枷”という言葉が印象的ですね。
” これまで人類が認識していた強さなど 全て無力 “
” もはや未来永劫 誰も… 君を捕らえることなどできないのだから “

ところで手術直後、シュメルマンは既にリヒトーの力を理解していました。
これはリヒトーの得た力がシュメルマンの持つ力と同じものだからだと考えていいのでしょうか。
一見、リヒトーの得た力は“圧倒的な身体能力”で、シュメルマンのそれとは違うように見えるのですが、シュメルマンも普段抑えているだけで、同じ力を持っているのでしょうか。
だとすれば、おそらく自然に「議会」と同期し、それによって身体能力などが飛躍的に向上していると考えられます。
つまり、この力は、いわば「撃墜王」(というより「魔法使い」?)の基本能力とも解釈できてしまいます。
そうすると、同じようにシュメルマンのDNAを取り込んだ他の「撃墜王」たちも同じ力を持っているはずですが、リヒトーはこの力で「閃撃」の二つ名を得ているですよね。もちろん最初(ナナを除いて)の撃墜王だったからかもしれませんが…。
ただ、これまでのシュメルマンの言動や、今のところ唯一外見に変化が出ていることなどからリヒトーは特別製とも考えられます。
シュメルマンと絵本
さて、現代と過去とで全く受ける印象の違うシュメルマンですが、今回の話で少し思ったことがあります。
「撃墜王の手術」は移植される側よりもシュメルマンに負担がかかるものです。
その術後直後にもかかわらず、不調をおしてシュメルマンは生徒たちのために動きます。

一方、その様子を冷やかに見つめるフィランダ。
どうもシュメルマンの生徒たちを慮る気持ちは本物のようです。
だとすれば、300年の間にシュメルマンの心に何らかの大きな変化が生じたと考えることができます。
ちなみに過去編のシュメルマンは基本的には目を閉じていますが、現代のシュメルマンは普段から目を開けています。
個人的には、その変化にフィレンダが絡んでいる気がしてなりません。
今回の冷たい眼差しにしろ、時折見せる表情にしろ、フィレンダに裏があることはほぼ確定でしょう。
ちなみにシュメルマンの変化としては、リヒトーが「シュメルマンの殺意」に支配されてしまったように、自身の「殺意」に支配されてしまったのではないかと考えています。
そして、今回もまた登場した『ウサギとカメ』の絵本。

この絵本が物語の鍵を握ることは確実なのですが…
この内容は現代でシュメルマンが子供たちに読み聞かせていたものと同じ内容なのか…。
少なくとも表紙は同じ絵なのですが…。
「閃撃」の撃墜王
シュメルマンの力を手に入れたリヒトーは仲間たちを助けに戦場に出ます。
そのあまりに人智を超えた身体能力は、銃撃さえも止まって見えるほどで、無数の弾丸を全て指先で方向をそらすことすら可能です。
そして、自身の能力をある程度把握したところで、服をはがれた一ノ瀬さんたちの姿がリヒトーの目に止まります。
気丈に振る舞うも、ついに涙する一ノ瀬さんの姿を見て、激昂するリヒトー。

この時の左目が印象的です。
この時のリヒトーは我を忘れるまでには至ってはいないはずなのですが、左目はかなり凶悪な感じになっています。
これはリヒトーの怒りにシュメルマンの「殺意」が同調していることを暗示しているのでしょうか?
ともかく、この紫電(?)の走った左目は、園原との戦いの際の左目を想起させます。

少なくともこの世界で数字である以上、かなり重要な意味合いを持つものだと思うのですが…
単なる「撃墜王」としてのシリアルナンバーかな?表記からしてカウントではなさそうですよね。
ただ、園原との戦いの時は、以降ずっと仮面の下で左目が発光していましたよね。
やはり左目がリヒトーの「怒り」、あるいは「殺意」に関係していることは間違いなさそうです。
さて、リヒトーの圧倒的なまでの速さは、動きが閃光として見えるほどです。
その戦い様を見て、クラスメートたちがリヒトーのことを「閃撃の撃墜王」と名付けます。
それにしてもなんというか、クラスメート達、一転して余裕ありすぎでしょう。ちょっと笑いました。

攻撃が閃光のような一撃だから「閃撃」。
ただこの時点で、リヒトーはまだバロットの認証を行っていません。
つまり、「閃撃」はバロットの能力ではなく、あくまでリヒトー自身の能力ということになりますよね。
ちなみに上述の通り、この身体能力の向上が「撃墜王」の基本能力(標準装備)なのだとすれば、言ってしまえば「撃墜王」全員が「閃撃」を打てることになってしまいますよね。
この時点では、リヒトー以外の「撃墜王」は存在していなかった(ナナの存在はまだ知られていない)から、単純に「閃撃」と名付けたのかもしれませんが、実際のところはどうだったのでしょうか?
リヒトーのこの能力はリヒトーの固有の能力だったのか、それともやはり全撃墜王に共通のものだったのか?
そして、リヒトーのバロットの能力は一体なんなのでしょうか?
ちなみに、今のところ他に登場している「識撃」と「追撃」の撃墜王の二つ名はともにその固有の能力からついたものだと考えられます。そして、その固有能力は共にバロットの能力です。
う〜ん、いろいろと疑問が尽きないところですね。
「殺さない軍隊」始動!!?
圧倒的な力で相手を制圧したリヒトー。
これから迫る「殺さない軍隊」として人相手ではなく「殺し合い」、「戦争」との戦いを見据えます。

Aクラスのみんなが見捨てられて、リヒトーが仮面を外さなくなるバッドエンドが控えているとは思えないほど素敵な雰囲気になってますね。なんだか和気藹々アットホームな青春真っ只中な展開ですよ??
「みんながいるから」とか、どこの青春学園漫画ですか笑笑
もしかして、陽菜たちが来たことで、「殺さない軍隊」が成功する方向に歴史が動き始めているのでしょうか?
ちなみに、リヒトーはどうやら一ノ瀬さんのことが気になっている…のかな。過去編のヒロインはやはり一ノ瀬さんだったか。。
そして、さらにちなみに…道安武虎がジェイルに肩を借りてました。
まあ、今回は道安も頑張ったしな。。
ただ、残念ながら完全なハッピーエンドでは終わりません。

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