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第27話「選民」感想

前話の第26話「ボクのカウントは」で、ついにリヒトーバロットが何をカウントしているのか、そして「殺さない軍隊」のはずの離人がなぜ人を殺すことになったのかがあきらかになりました。

今回の第27話では前話末でナナが口にした新事実「選民」の実態、リヒトーとナナ以外の5人の「撃墜王」の素性、そしてリヒトーが300年間背負い続けている「後悔」の正体など様々なことがあきらかになりました。

ではそれぞれ見てみましょう。

7人の撃墜王

まずは、「撃墜王」が誰なのかということですが…。

「撃墜王」は全員で7人です。

リヒトー一人に「殺し」をさせまいとしたAクラス全員が遺伝子調査をした結果、適応したのが5人。

  • 「瞬撃」の撃墜王 坂井時風
  • 「重撃」の撃墜王 道安武虎
  • 「追撃」の撃墜王 園原水花
  • 「爆撃」の撃墜王 アラン大尉

最後の一人はナナも名前も顔も知らない人物で、完全に別行動をしていたそうです。

4人の新たな撃墜王たち

ナナの言い方からするとAクラスの人間のようですが、個人的には最後の一人はフィレンダ少尉なのではないかと…。

それにしてもやっぱりアラン大尉は「撃墜王」だったか…。しかし、アラン大尉の方が上官なのに隊長はリヒトーだったんですね。。

ともかく、どうやら「撃墜王」に関してはいろいろと設定の変更もあるみたいなのでその辺は別記事にまとめます。

それはそうと、「撃墜王」の正体は妥当な面子でしたが、道安武虎もリヒトーのために「撃墜王」になったというのは少々意外でした。まあ、他に思惑があったのかもしれませんが…

…というか、道安ってAクラス だったっけか…

7つのバロットと「選民」

さて、もう一つ明らかになったことは前話末でナナが口にした「選民」という言葉。

教官たちが集めようとしたのは7つすべてのバロットです。

戦争停止なら過半数の4個集めれば事足りるのになぜ7つすべてを集めようとしたのか。

7つ集めることでのオリジナルバロットは「未知の力」が発揮します。

その未知の力「全会一致」理想郷「アルシア」を創造するというのが教官たちの思惑だったようです。

理想郷「アルシア」の創造

教官達が行ったことは以下の通りです。

  • 様々な人種から1000の受精卵を選び、「アルシア国民」とする。
  • 地上3000mに「アルシア国土」を造る。
  • 地上のあらゆる資源を奪う。

こうすることで「アルシア国民」は文明を奪われ、誰一人「議会」の正体を知らないことになり、また資源不足で地上から「アルシア」に接触することは不可能になります。

その上で、「議会」による絶対統治を行ったのだと。これが「選民」というわけです。

だからこそ「カウントの義務化」「空を飛ぶ研究が禁止」されていたわけですね。

この可決は副作用で眠っていたナナと心の壊れた園原、そして既にシュメルマンの「殺意」に支配され正気を失っていたリヒトー以外の撃墜王は皆賛同したそうです。

その中でただ一人の「撃墜王」だけが猛烈に反対した。

「瞬撃の撃墜王」坂井時風

“他の「撃墜王」は全員賛同した”って言ってましたけど、そうすると結局賛同したのってアラン大尉と道安武虎、それから最後の正体不明の撃墜王の3人だけですよね笑

この可決によって、Aクラスのみんなは「選ばれ」ず、見捨てられる結果になるわけですが、それにしても道安はまだしも、Aクラスが見捨てられるとわかってアラン大尉が賛同したのは意外でしたね。

まあでも、彼の場合はもともと「アルシア」創造のためにシュメルマン達と尽力してきたのでしょうから、苦渋の決断ののちに賛同したのでしょうね。

第21話「露見」でも「自分たち年寄りが諦めて子供に回せば食料は足りる」とか、「議会でそう可決すれば」とか、「この世界はもう手遅れだ」とか、「アルシア」創造を匂わせるような発言をしていましたし…。

それにしても、こうして「アルシア」が造られたのだとすれば、「アルシア」における王族とはなんなのでしょう。たしか、シュメルマンは王族直属の特務部隊の隊長だったはず…。

それに、せっかく何も知らない世代を「アルシア国民」にしたのなら、なぜ「廃棄戦争」「撃墜王」という「議会」の存在にたどり着きかねない知識を規制しなかったのか…。

さておき、ただ一人反対した時風はオリジナルバロットを一つ盗み、Aクラスのみんなの元に向かいますが…。

そこで、惨劇が起きます…

変わりゆくリヒトーと「シュメルマンの遺伝子」

ところで、先ほどリヒトーがシュメルマンの「殺意」に支配され正気を失ったと書きましたが、本当にもうリヒトーの変化の過程は読んでて痛々しい程でした。

ちなみに、リヒトーの昔と現在の容姿の違いは、「シュメルマンの遺伝子」を過剰に取り込んだ結果だそうです。

さらにリヒトーの変化は外面だけにとどまりません。

廃棄戦争が始まり、「みんなの代わりに敵を殺すこと」を誓ったリヒトーが、初日に殺した敵の数は337人。

それでもはじめのうちは以前通り優しい笑顔で周りと接していたリヒトーでしたが、徐々にシュメルマンの「殺意」に支配されて行き、殺した数が1万を超えた頃には既にその顔から笑顔はなくなっていました。

“笑顔が… 消えた…”

それでもなお、隊長としてクラスメートたちに敵を殺さないようにと命じる姿は、もうなんというか…。

指揮のトップはシュメルマンのはずですが、「殺さない軍隊」を提案していた彼は一体どんな顔でリヒトーを戦場に出していたのでしょうね。

過去編のシュメルマンからはそうは思いたくありませんが、現在のシュメルマンから考えると、リヒトーのこの性格も含めて彼の計画だったのかなとも思えます。

ただね、25話「閃撃の撃墜王」のレビューでも少し書きましたが、少なくとも過去編のシュメルマンは心からリヒトーたちのことを考えている感じがするんですよねぇ。

やはりシュメルマンもまた、300年の時の中で、自身の「殺意」に支配されてしまったのでしょうか。シュメルマンの変化にはフィレンダが大きく関わっているのでは、と考えています。

それにアランはどうしていたのでしょう、リヒトーは彼にも敵を殺さないよう命じていたということでしょうか。なんだか「撃墜王」に生徒以外が入ってくると複雑ですね。

シュメルマンの殺意に呑まれるリヒトー

リヒトーはその頃から仮面を被り、みんなの前では決して外すことはなくなります。

そしてそんなリヒトーの姿を見かねて、上記のように他の「撃墜王」が生まれたわけですが、それでもリヒトーは皆に「殺すな」と命令をし、一人で敵を殺し続けます。

しかし、ついに殺した数が10万を超えた頃、リヒトーは完全にシュメルマンの「殺意」に支配されてしまいます。

ちなみに、園原の心が壊れたのは、シュメルマンの「殺意」に支配されたリヒトーに斬りつけられたことが原因です。

この時点で、リヒトーはもはや「人」ではなく、普段は拘束され出撃の際は「薬」を打たれ、敵地に「投下」される存在になっていました。

…余談ですが、リヒトーへの「投薬」をいつも通りの笑顔で行うフィレンダ少尉って…この人が一番やばいよな。。

リヒトーがそんな状態になっても、皆はリヒトーの命令に従うしかありません。

みんなのために敵を殺し続けるリヒトー

なぜなら、リヒトーをささえているのは「Aクラスのみんなに殺させないという願い」で、もしそれが破られればもう二度とリヒトーが元に戻らないと心のどこかでわかっていたから。

なんだかもう、泣かせにきてるだろってくらい、泣ける。。

ちなみにこの頃、園原のバロットカウンターが36になっていました。彼女のバロットは何をカウントしていたのでしょうね。

リヒトーが元に戻るのをずっと信じ続けていた一ノ瀬さんも健気でした。

リヒトーを信じる一ノ瀬

リヒトーが元の「エッチで優しい離人」に戻ってくれるようにと…積み上げられた下着の山は正直ギャグかってくらいですが、なんだかそれも笑えないくらい切ない。

それにしても、なんだか最近一ノ瀬さんが陽菜に似ているように見えてきたのですが…。

まあ、一ノ瀬さんは「議会」に選ばれず、死んでしまっているので血縁ではないでしょうが、リヒトーは彼女の面影を陽菜に見てたりして…。

ただ、こうなるといくつか矛盾点が出てきますね。

・この流れならリヒトー以外誰も敵を殺していないはず。
→園原が唯一最後まで敵を殺さなかった「撃墜王」だと言及されている。

・リヒトーが園原に「敵を殺せ」と命令しているはずがない。
→園原本人がリヒトーに昔命令されたと言っている。

・「撃墜王」同士の戦いなんて起きる余裕もない。
→リヒトーが園原と戦う時に「撃墜王」どうしの戦いの際の決まりについて言及している。

さらに、リヒトーは少なくとも10万人殺しているわけで、彼のバロットのカウントは「みんなの代わりに敵を殺した数」ですから、5700はおろか、増幅した57000ですら全く及びもつかない値になっているはずです。

この辺りはどうなるのでしょうね。

300年背負い続けるリヒトーの後悔

今回明かされた最も大きな事実。リヒトーが300年間背負い続けている後悔についてです。

話は戻りますが、「アルシア」創造にただ一人反対した時風はオリジナルバロットを一つ盗み、Aクラスのみんなの元に向かいます。

しかし、「アルシア」の維持のためには7つすべてのオリジナルバロットが揃っていなくてはなりません。

そして、そのために時風に向けられた追っ手が…

フィレンダに投薬されるリヒトー

…フィレンダ少尉のマッドサイエンティスト顔がやばい…。

つまり、リヒトーの後悔は「人を殺したこと」でも「殺さない軍隊になれなかったこと」でもなく…

自らの手で自分の最も大切な「家族」、何としても守りたかった時風を殺してしまったこと

時風を殺すリヒトー

しかし、その瞬間奇跡が起こり、シュメルマンの「殺意」に支配されていたリヒトーが正気に戻ります。

正気に戻ってしまったことが。リヒトーにとって幸か不幸かはわかりませんが…。

そして、時風を自分の手で殺してしまったことと、「アルシア」に選ばれず見捨てられていくAクラスの仲間たち。

その全てが自分のせいだと悟った瞬間、リヒトーの心臓は止まります。

リヒトーはもともとストリートチルドレンで、幼い頃に時風の祖母に拾われ、「坂井家」の家族として育てられたそうです。

ともかく、もう最悪の事態に最悪の事態を掛け合わせたような展開ですね。

あ、もしかして「リヒトー=バッハ」というのは坂井家に引き取られる前の、リヒトーのもともとの名前だったのかな??

シュメルマンの「絵本」

それにしても、時風を殺してしまったリヒトー、この構図はシュメルマンの絵本を思い出しますね。

©『プランダラ』水無月すう 第3巻より引用

シュメルマンが教会で子供たちに読み聞かせていた絵本『ウサギとカメ』

リヒトーが力を得た際にも、シュメルマンはリヒトーを「カメ」、そして時風(と道安も)を「ウサギ」と形容していました。

ただ、絵本と違うのは絵本では「カメ」だけが「魔法使い」に力をもらうことになっていますが、「ウサギ」の時風もシュメルマンの遺伝子を取り込み「撃墜王」になっているということです。

そう考えるとこの絵本で言っている「魔法使い」の「力」は、「撃墜王」の「力」ではなく「シュメルマンの「殺意」」だと考えられます(もちろん取り込んだ遺伝子の量とも考えられますが…)。そうすると、やはり全てはシュメルマンの思惑通りだったと考えたほうが自然でしょうか…。

そして、再び20年後に突如息を吹き返したリヒトーはAクラスの消息を探ります。

なぜ地上に捨て置かれた彼らについての記録が軍に残されているのかは不明ですが、リヒトーの調査の結果、Aクラスのみんなは、リヒトーの心臓が停止してすぐ後、戦災孤児たちを生かすために、口減しとして皆自らの手で命を絶ったのだそうです。

全くどこまで悲劇的な展開ですか、本当に。

というか、優しい奴が多すぎる。。

ただどうも年端もいかない子供達を置いて、皆が死ぬとは考えられませんよね。

最低でも一人以上は、子供達を導く存在として残らなくてはならなかったのでは、と思うんです。

なので実は一ノ瀬さん生き残ってたんじゃないか説が…ないかな。

300年前の… 続きを… しましょう…

さて、そんなわけで、過去編は幕を閉じました。

前回から怒涛のように色々と明らかになって書くこともてんこ盛りになってしまいました。

とりあえず、過去を知り現代へと無事戻ってきた陽菜たちがリヒトーと再び対面します。

“300年前の… 続きを… しましょう… “


って、マジか!!

次号衝撃の展開が予想されます。

しかし、それにしても、今のリヒトーは過去で陽菜たちと会った記憶を持っているのでしょうか。

いわゆるタイムパラドックスの問題ですが…。

それにしても、オリジナルバロットが7つ揃っていなくては「アルシア」が維持できないとは…。

ただ、少なくとも陽菜は5年間バロットを持っていたわけですから、そう簡単に「アルシア」が崩壊するわけではないわけですね。

ただ少なくとも時風に盗み出された以降、より厳重に管理されるようになったはずです。

しかも、時風のように「撃墜王」であればまだしも、普通の人間には教官たちからバロットを奪うことなどまず不可能でしょう。

にもかかわらず、オリジナルバロットを持っていた陽菜の母親っていったい…。

今の所考えられる可能性は3つですね。

正体不明の「撃墜王」最後の一人で力づくでバロットを奪った(この場合最後の一人はフィレンダではない)
→賛同派だったのでバロットを奪う理由がない

実は一ノ瀬さん(orその子孫)で、時風が殺された際の混乱に乗じてバロットを隠し持っていた。
→地上に残されたので、「アルシア」にはいないはず&一ノ瀬さんの髪色って青じゃないよな。。

全く縁もゆかりもない人。
→バロットを手に入れる術が思いつかない。

う〜ん、どの可能性も決定打がないですね〜。

まあ、そのうちわかるでしょ笑

あとはやっぱり、フィレンダですね。。

ただの狂気の快楽主義者なのか、それとも黒幕的な存在なのか。。

とりあえず、今回はここまで。

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