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『プランダラ』第67話「よかった」あらすじ&レビュー感想
第67話「よかった」あらすじ
『プランダラ』第67話「よかった」のあらすじです。
まずは第67話「よかった」のあらすじをなるべく核心部分は伏せるようにしてざっくり説明しましょう。
【簡単あらすじ解説】

激闘の最中、シュメルマンの殺意に支配されたはずのリヒトーと時風。ペレの”心撃”がのぞいた彼らの意識は、300年前のデパートの屋上にありました。リヒトー(離人)の幼少期、そして坂井家に引き取られた経緯が明かされます。そして、離人が坂井家の一員となり数年経ったある日、時風は日曜毎に決まって離人がいなくなることと、なぜか貯金箱の中身が増えていくことに気づくのでした。祖母から離人の行き先と抱える事情を聞いた時風はデパートの屋上で一人たたずむ離人の元へゆき、貯金箱の中身で買った”ソフトクリーム”を”全部”食べろと差し出します。しかし、離人はある想いから”半分”残したままそれ以上は頑なに食べようとしません。事情を理解した上で、それでも離人を大切な”兄弟”だと想うからこそ、あえて気持ちを逆撫でするような物言いをする時風の発した「よかった」という一言に、逆上した離人は時風に殴りかかり…。殴り合った帰路、支え合って歩く二人は一つ約束をします。”もしもう一度僕らが殴り合うようなことがあれば その時は…お互いの幸せを…心から…願っている時だけだ…。”…そして、現在…。
今回語られたのはリヒトーと時風の過去。なぜリヒトーが坂井家に引き取られのかが明らかになります。血の繋がらない二人が兄弟以上に”兄弟”となったエピソード、そして二人の”兄弟”の絆が描かれます。300年前に二人が誓った約束は殺意に支配された今も尚…(涙)
相変わらず”水無月すう”ワールドには容赦なく引き込まれます。『プランダラ』は良い意味で”らしさ”が全開なので、ここの展開は狙ってるな、とかかなりわかりやすい作品なのに、それでもなお引き込まれてしまうのは何故なのだろうか…。
正直、細かい齟齬とか、ちょっとぶっ飛びすぎなところとか、ご都合主義なところとか…それなりにあるにもかかわらず、そんなこと気にならないくらいにガツンと胸を打つ展開のドラマチックさよ…。
では、ここからは少しばかりネタバレも込みで第67話「よかった」の感想を書いていきます!!
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第67話「よかった」感想
リヒトーの過去と兄弟の絆
ようやくというかなんというか、離人の過去が明かされました。個人的にはちょっと意外な過去だったんですよね。もちろん、これまで具体的には描かれてはいなかったものの、幼少期の離人と時風の対比(?)から恵まれてはいない、ということはわかっていたのですが…。
正直、離人は戦争で親を亡くした戦災孤児かな、と思っていたのですが…まさか、ああいう感じだったとはねェ。『プランダラ』の過去エピソードはどれも切ないですね。

離人の家はもともと貧しかったんでしょうね。ただ、離人のような境遇は彼だけでなく、300年前の世界では特に珍しいことではなかったみたいですね。こういうバックグラウンドがあればそりゃねえ…。
個人的には、今回のエピソードではちょっとした違和感がある部分もありましたが、細かいことは気にせずに…。『プランダラ』ではよくよく考えたらちょっとおかしい部分があるけれど、その方が劇的な演出になるというところがチョコチョコあるので細かいことは気にせずに(大切なことなので2度書きました)!!

今回のエピソードで鍵となる”ソフトクリーム”についても、食糧難で物価も高騰しているのになんで嗜好品であるソフトクリームが売られ続けているのかとか、ちょっとした違和感はありますよね。他にも時風の祖母がなんで一人でデパートの屋上に行っていたのかとか、そんな時勢で坂井家のどこに離人を養う余裕があったのか、とかツッコミどころ(というか都合の良い設定)はありますが…。その辺りは置いておいて…。
とにかく今回のエピソードでは離人が如何にして時風と家族、兄弟になったのか、そしてその二人の絆の深さが明らかになりました。そんな二人が殺し合いを、しかもお互いを想いながらの状態で、ということを考えるとより一層切ない…。やっぱり水無月すう先生は話の盛り上げ方が上手ですよね。
お互いの幸せを…心から…願っている時だけだ…
とにかくね。ただでさえ大切に想い合っている事が特に強く描かれてきた2人だというのに、今回さらにもう一つそれを深めるエピソードが描かれてしまったわけですから、どうにも堪らないわけですよ。
300年前に本当の兄弟よりも深い絆で結ばれた”兄弟“になった時に2人がした約束。”もしもう一度僕らが殴り合うようなことがあれば その時は…お互いの幸せを…心から…願っている時だけだ…”。
そこまで深めるかと、そこまで固めるかと。そんな背景を踏まえての今の2人の戦い。お互いがお互いの幸せを願って、自分を殺させようとしているなんて切なすぎるでしょ。

だってそれだと結局は相手に自分という最愛の人間を殺させなくてはならないわけで…。リヒトーはそれで300年間苦しみ続けたのだから…。
そもそもシュメルマンの殺意に完全に飲み込まれる事なく理性を残している、という事がまたお互いを想う気持ちの強さ故と思うと…。できれば時風が誰も殺す事なく薬を克服しますように…。多少、ご都合主義な展開でもいいからさぁ。
そもそも”ふたりの意識”という事ですから、時風も同じ想いでリヒトーと対峙しているという事ですよね。となると、戦いの前の”陽菜を殺す”宣言さえ、リヒトーに自分を殺させるための方便の様な物だと考えられるわけで…。
ちょっと前にアルシア軍総司令の座をかけて、ジェイルとロベールの同じく”血のつながらない兄弟”の決闘が描かれましたが、今回は果たしてどんな結末を迎えるのか…。
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