『落日のパトス』第98話「わたしの代わりにその娘なの？」あらすじ紹介

・第98話「わたしの代わりにその娘なの？」あらすじ紹介

アキに”全部、忘れて”と伝えてから、会うこともなく一週間以上…。アキのことが気になって仕方がない真はアキのまっすぐな好意を感じ、自分もまたそうであることを自覚し始めていた。”そうだよアキくん 私だってそうだから わかるんだよ”。 そうして”不倫旅行”でしたアキとのキスを思い出し、自らを慰める毎日。お互いのためにこれ以上の関係性を深めないために、アキのことを別になんでもないと自らに言い聞かせようとするのだが、そうするほどに… “これは 気付いちゃ いけないヤツ…”。そして、悩んだ末にアキの部屋のチャイムを鳴らすのだったが、アキの部屋から出てきたのは予想外の人物で…

・内容&見どころ

ついに真がアキへの想いを自覚!?? 真の表情や独白が醸し出す、艶々先生作品独特の文学的背徳の情緒感が全開。不貞を自覚した上で、二人はさらに堕ちていくのか!!? さらに”あの人物”も絡んで事態は急展開!!

『落日のパトス』第98話「わたしの代わりにその娘なの？」は『別冊ヤングチャンピオン』2021年9月号に掲載されています。

『落日のパトス』第98話「わたしの代わりにその娘なの？」感想

・あれから一週間。顔を合わせにくい二人。

アキに”全部”を忘れようと、告げてから会うことなく1週間以上も過ぎてしまいました。

その間、真はアキとの”不倫旅行”の夜、何よりついにしてしまったキスを思い出し、毎日自らを慰めては軽い罪悪感を感じる日々を過ごしている様子。まあ、しかし 自分のことを欲しいというアキのまっすぐな好意を感じている上で、ああいうことを言ってしまった以上 顔を合わせづらいのは間違いないよね。

もしアキが男前な性格だったら、仮に拒絶されたとしても未練があるならアキの方からアプローチをするなり、ということもあるのでしょうが、そこはアキですから…ね。まあ、そういうナヨナヨしたところも含めて真はアキのことが好きなんでしょうが…。真が訪ねて行った時の現れ方&反応も、いかにもな感じだったし( 笑)。

結局、いつも真の方が一人で抱えて、悩んで、している感じだなぁ。

真がアキとの関係をこれ以上進めないようにと、自分自身に”アキのことは別に…”と言い聞かせようとするも、却って自分の想いに気づいてしまうあたりの描写表現が素敵だわぁ。本当に、あの”味”というか”趣”は艶々先生の作品独特のものですよね。

そして、真のアキへの気持ちの大きさですよ。元々、恋愛経験が少ないこともあるのだろうけど、アキとのキスがファーストキス並みの衝撃として受け止めている。…ただ、その衝撃が”サカり具合”として現れてしまうあたりはさすがは真。エロ脳がすごい。というか、高校時代のファーストキスの時もその後、それをオカズに毎日 オナニーしてたんか(笑)

そして、感性のピュアさに比べて、エロ煩悩が強すぎるんだよね。”幸せな夢”のピュアさと言ったらとんでもなかったのに、そこからオナニーに発展して、キスの記憶から始まったオカズはどんどん過激な妄想に膨らんでいく。

・わたしの代わり…??

ちなみに、そんな状況ですが、真は少なくとも今のところは”不貞はダメ”という理性は残っている。ただ、すでに夫への罪悪感は感じなくなっているらしい。ま、実際のところ読者視点から彼女の不貞を否定できない…ないし、むしろ応援したくなってしまう一番の原因は、真の夫の人間性なんだよねぇ。

別に彼女に危害を加えたりするような特別 悪い人物ではないのだけれど、これまでのいくつかの描写からすると 良い人でもない。というか、かなり自己本位でお世辞にも真を大切にしているとは言い難い人物のように思える。悪い意味で昭和の夫という感じか？

というか、あまりにも出張が多いし、ぶっちゃけ他所に女でも作っているのではないだろうか。…だといいな。もしそうなら、真のアキとの不倫もある種のハッピーエンドを迎えられるのではなかろうか…などと、妄想してみたり。まあ、アキと結婚しても幸せにはなれなさそうだけど…

さておき、

迷いを振り切り(?)、勢いのままアキの家のインターホンを鳴らした真。彼女を迎えたのは予期せぬ”あの人物”。”わたしの代わりがあの娘なの?”ということで、果たして ここから修羅場か、どうなるか？

予期せぬその”人物”も、真の登場に罰の悪そうな表情をしていたので、とりあえず 何かしらの魂胆があることは間違いなさそう。それにしても、真の来訪を知ったアキの表情よ…。

なぜ、こんな男の周りにこんなに良い女たちが集まるのか。

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