
『魔都精兵のスレイブ』最新刊情報

『魔都精兵のスレイブ』最新第12巻
【あらすじ】
怒れる神が、ついに動き出す――! 魔都の状況が緊迫する中、各所で魔防隊が襲われる事件が勃発。下校途中の女子高生組長・木乃実を、元・組長の下村夢路が強襲する。京香、冥加らと共に駆けつける優希だが、敵の能力で二手に分断されてしまう…! 神奉者となり神の力を得た夢路とも互角に渡り合う木乃実だが!?
『魔都精兵のスレイブ』第100話「魔都の精兵たち」あらすじ紹介

・第100話「魔都の精兵たち」あらすじ紹介
撃退した神奉者から情報を引き出そうと試みる魔防隊だったが、八雷神のかけたの問いにより、神奉者たちは情報を引き出す前に次々に死に至っていく。唯一生き残った神奉者である元七番組組長の夢路は瀕死に近い状態ながら京香の励ましもあり、敵本拠地と思われる場所の座標を示す。総理を含め官僚たちに絡も八雷神討伐の要請をうけた総組長 山城恋は全組長を率いて夢路の示した座標へと仕掛けることを決定する。
・内容&見どころ
・襲撃した神奉者たちを完全に鎮圧した魔防隊。総組長 山城恋の指揮の下、ついに八雷神に対し反撃に出る!!
・いじめっ子といじめられっ子??実は仲良し(?)な二人、山城恋と月夜野ベルの関係性が判明!!?
*『魔都精兵のスレイブ』第100話「魔都の精兵たち」は『ジャンプ+』にて2023年1月28日に掲載されました。
『魔都精兵のスレイブ』最新刊
『魔都精兵のスレイブ』第100話「魔都の精兵たち」感想
・いじめっ子といじめられっ子!?山城恋と月夜野ベルの関係性は??
優希への態度や仕打ちなどから性格に難があるようにしか見えない総組長 山城恋。中でも特に三番組組長である月夜野ベルに関する彼女の態度は、かなり問題がある(パワハラ?)ように見えなくもないです。
他の組長達に対する接し方とは全く異なり、ベルに対しては普段からあからさまに見下したような態度で、嘲笑するように彼女の能力を蔑めるような発言をしたり、”お仕置き”と言って脅すような(実際にどんなお仕置きをしているかは不明ですが)態度をとるとか、まるでイジメているようにさえ見える行動が目立ちます。
正直、これまではいじめられっ子体質のベルのことをいじめてストレスの吐口にでもしているのかな…と思っていましたが、前回の話で神奉者の襲撃からベルを助けた際の神奉者への怒りの表情などから、どうやらそういった類のものではないのではないかという可能性が首をもたげ始めてきました。
今回の話では恋とベルが二人きりでお風呂に入る場面が描かれ、その関係性が垣間見えました。まあ、つまるところ、恋の仕打ちは、もっと幼稚で子供っぽい感情から出ていたわけですね。
いわゆる、幼い子供が好きな子をいじめてしまう、というアレです。おそらく恋は能力が高すぎるが故に、色々精神的に幼いままなんでしょうね。

そもそも、恋はベルのことを本気で大切な存在、友達だと考えているようです。これに関しては、今回実際に恋が”友達”という言葉を口にしていますし、それ以上にベルを励まし(??)た際に恋が見せた表情が何より雄弁に物語っています。ベルへの仕打ちについても、恋は虐めているつもりもこれっぽっちもないんだろうな。
前回神奉者たちに傷つけられたベルを見てブチギレしていたことも納得です。
ただ、彼女のこの気持ちはベルには伝わっているのだろうか。この二人は相性が良すぎるというか、悪すぎるというか…。ベルは元々魔防隊所属以前からいじめられっ子で、正直なところ 生来のいじめられっ子と言ってもいいくらいにいじめられっ子体質が染み付いています。
ベルの反応から察するに、彼女は恋のことを友達として見る見ない以前に、自分を加害する恐怖の対象として見ている節があります。今回の ベルが恋に無理やり笑わせられる一連の流れでも、一度目に”笑え”と言われた際には目に見えて怯えた反応をしています。その後、ベルは泣き笑い顔を作るわけですが、どうにもいじめられる側がいじめる側の機嫌を取ろうと媚びる感じに見えてしまいますね。まあ、実際に本人がどう思っているのかはわかりませんけど…。

気になるのは泣き笑顔を見せた際に、ベルが手を恋の手に添えていることと、その表情が見ようによっては恍惚の表情にも見えることですね。いじめっ子、いじめられっ子の関係を想定して考えた場合、強制的に笑わされているのなら、ここまでされるがままのいじめられっ子がいじめっ子の手に手を添えるという反応は少し違和感があります。そうなると、前後の文脈がぶち壊れますが、本当にベルが本心から励まされ笑っているということに…もしかして、目を見つめた際に恋が何かしら洗脳行為でもしたのか(ただ少なくとも恋の目に能力発動の兆しはなかった)?
直後の恋の表情との整合性を考えると、ベルが本当に元気づけられた…の線の方がしっくりくるのだろうけれど。やはり恋が一方的で、ベルの本心を理解できていない、の可能性が高すぎるんだよな。とにかく個人的には、どうしてもいじめられっ子がそれ以上ひどいことをされないように無理やり作った笑顔、みたいな感じに見えてしまうのだよなぁ…。
とりあえず、この二人のちょっと歪な関係性はもう少し見守っていきたいところ。
ところで、八雷神との戦いになったら真っ先に自分がやられてしまうと、泣き言を言うベルに対して、恋が自分以外にベルを殺せるものはいない、と話していました。今回の神奉者との戦いでは組長格のなかでベルがもっとも危うかったのは事実ですし、多勢に無勢とは言え神奉者3人を相手にある程度翻弄されてしまっていました。

他の組長と比べてもベルの戦闘力は決して高いとは言えないというのが正直な感想ですが、ベルには他に何か強みがあるということなのでしょうか。神奉者との戦いで”笑う寿老人”を発動させた際に”攻めの”と銘打っていたことから、何かしら”守り”の能力を持っていることが想定されますが…。
恋が自分以外には殺せないと断言するほどとなると相当なものです。むしろ、その力があったからこそ、戦闘力はそこまで高くなくとも組長になりえたのかな?
・総組長 山城恋の圧倒的自信!?
ベルとの関係性についてはさておき、今回のエピソードはかなりしっかりと恋にフィーチャーされたエピソードでした。もはや絶対的とすら言える文字通り神の如き圧倒的な能力を持つ恋がこの世界でもつ権力もまた圧倒的です。
さらに魔防隊の総組長という立場、魔防隊の実績も手伝っているのでしょうが、総理すら頭を下げる彼女は もはや少なくとも日本の実権を掌握できるのではないかというほどの地位と力を手にしています。
ただ、総理や官僚から頭を下げられ、八雷神討伐の要請を受けた際の彼女の不敵な表情は少々 気になる所です。これまで性格の難や、ちょくちょく見せる 精神的に幼さの見える面、そして 八雷神を相手にして尚 自分の優位を疑うことない絶対的すぎる自信。どうも足を救われるのではないか、と心配になる要素がいくつかあるんですが…。
とにかく、夢路からもたらされた八雷神の拠点情報を得て、ついに彼女が攻勢に出ることを決めました。

組長クラスのみを引き連れた少数精鋭の編成で、まず先陣は恋が単騎(スレイブ化した優希を伴って)で仕掛けることに…。果たして待ち受ける敵は誰なのか?そもそも夢路の座標は本当に八雷神の拠点なのか?
神奉者の襲撃結果を踏まえて、八雷神も動き出しています。それに紫黒が組長の各個撃破を宣言していますからね。奇しくも今回は彼女の思惑通り、恋は単独行動に出たわけですから、八雷神側からすればまさに好機とも言えます。紫黒は神奉者の襲撃の際に、”仕込み”を終えたと言ってもいますので、今回のこの座標が罠でないとは言い切れません。
恋のスレイブ形態”殺牙”も安定しない形態ですし思いの外懸念要素は多いですね。果たしてどうなるのか…
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