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『幼女戦記』第八十七章:親善訪問Ⅳ 感想:ターニャが監督脚本で映画撮影!!?もはや夫婦!!な得難きバディ!!

2023年2月27日 - 幼女戦記
『幼女戦記』第八十七章:親善訪問Ⅳ 感想:ターニャが監督脚本で映画撮影!!?もはや夫婦!!な得難きバディ!!

『幼女戦記』最新刊情報

『幼女戦記』最新第26巻

遂に帝国対ルーシー連邦の戦いの火蓋が切られる。先んじて東部戦線に派遣されていたターニャは前線の擾乱に徹する…と思いきや彼女が選択したのは、まさかのルーシー連邦首都、モスコー強襲!?そして、大陸の戦局を注視していた連合王国軍も徐々にその動きを活発化させる。帝国へのハラスメントを行うべく初陣を飾った「派遣義勇軍」。その中には、レガドニア協商連合アンソン・スー大佐の遺児、メアリー・スーの姿があり…?揺籃の時が、終わりを告げる。

『幼女戦記』第八十七章:親善訪問Ⅳあらすじ紹介

『幼女戦記』第八十七章:親善訪問Ⅳあらすじ紹介

・ウィリアム・ダグラス・ドレイクに追い詰められたセレブリャコーフを助けに現れたターニャ。即座に砲撃を展開してターニャはウィリアムを退ける。その後、セレブリャコーフとの会話で”ある思いつき”を得たターニャはセレブリャコーフを伴いルーシー連邦の映画撮影会社へと向かう。そして、プロパガンダ用のスピーカーをジャックし…
・ターニャに撃墜されたウィリアムは幸運にも急所を外れていたため、サー・アイザック・ダスティン・ドレイクによって救出される。再び「ラインの悪魔」に敗北した彼らは、メアリースーを擁するドレイク家の末弟に希望を託し戦場から退場する。

内容&見どころ

・ヴィーシャとターニャが今回もイチャイチャ(?)。もはやバディどころか恋人のようにすら見える仲睦まじさ!!
・ルーシー連邦の電波塔をジャックし、映画会社で撮影機材を拝借したターニャの思惑とは!!?
・やはりヴィーシャはルーシー連邦出身だった??その来歴が明らかに!!?

『幼女戦記』第八十七章:親善訪問Ⅳは『コンプエース』2023年4月号に掲載されています。

『コンプエース』2023年4月号

『幼女戦記』第八十七章:親善訪問Ⅳ感想

もはや夫婦!!?ターニャとヴィーシャ、得難いバディ!!

「ラインの悪魔」だと勘違いされ、ウィリアム・ダグラス・ドレイクに堕とされそうになったヴィーシャの窮地に現れたターニャはまるで姫を救う白馬の王子の如く 颯爽とヴィーシャを助けてしまいます。

本人が言うには、95式を使い果たしてしまっている現状で、真っ向からウィリアム・ダグラス・ドレイクとぶつかり合ったとしたらどうなっていたかわからないということで、ヴィーシャの奮闘が結果的にターニャの勝利に大きく貢献したらしい。

それにしても、ターニャとヴィーシャの仲睦まじさよ。ウィリアムをダシ(?)にまたしていちゃいちゃを見せつけてきやがるのです。全くウィリアム・ダグラス・ドレイクも災難ですね。そもそも仇だと思っていた人物が人違いで、仇本人が現れたらほぼ瞬殺されてしまうという…その上で、さらに二人のイチャつきのダシにされてしまうなんて。

ヴィーシャの”覚悟はできておりますので”のセリフは、夫に寄り添う妻のそれ。バディというよりもはや夫婦ですね(203大隊の面々も言っていますが…)。荒廃した戦場をバックに二人が寄り添うように描かれた見開き絵なんてもう…ね。いやいや、見せつけてくれます。

ターニャがウィリアムを砲撃した際も、自らも巻き込まれかねない 至近距離にいてなお、微笑みながら目を閉じて身を委ね…。デグレチャフ少佐殿の魔法は自分には決して当たらない…と、まさしく全幅の信頼です。

最近はヴィーシャもターニャへの好き好きオーラを隠そうともしませんからね。そもそも距離が近い…。いくらバディでも普通はここまで触れ合わないのでは…。

今回のウィリアムとの戦いを見ると、ターニャから独立して、もう少し経験を積めばヴィーシャもエース・オブ・エースに慣れそうな逸材ですが…。吟遊詩人が話していた大魔道士級の10人の中にはヴィーシャも間違いなく入っているはずですし。でも まあ、この調子だとヴィーシャがターニャから離れることはないでしょうね。

「ラインの悪魔」とドレイク一族!!

サー・アイザック・ダスティン・ドレイクに続き、ウィリアム・ダグラス・ドレイクも「ラインの悪魔」の圧倒的な力の前に敗北しました。2度も辛酸を舐めさせらることとなったドレイクの一族。

傷を負ったウィリアム・ダグラス・ドレイクを抱え、サー・アイザック・ダスティン・ドレイクは”我々の戦争はここまでだな”と、後のことをウィリアムの弟に託して、戦場を退きます。この弟というのはメアリースーと共に(ほぼメアリースー 一人の力でしたが)帝国のエース・オブ・エースのトップ吟遊詩人を討ち取ったドレイクの末弟のことでしょうね。

そうなると、ターニャとメアリー・スーとの激突も近いのかな? 個人的には あまりメアリー・スーは好きではないのだけれど、彼女の力は”まるで「白銀」”と形容されるものですからね。直接激突するのであれば、果たしてどちらに軍配が上がるのだろうか…。

メアリー・スーは”存在X”の力を全面的に受け入れ 享受している一方でターニャはその力を使いながらも”存在X”を否定しようとし続けています。そもそもターニャの魔導師としての能力は早熟だが、一線級魔導師と隔絶するものではない、というものですから…ね。それに存在Xの支配する(?)世界で、その恩寵を以て戦う以上、それに馴染んでいるほどに強くなることは明白です。

ただ一方でターニャは今回 同じく存在Xの恩寵を与えられたジュガシヴィリを意にも介さすことなく作戦を成功させていますのでね…。ターニャは魔力や能力や頭脳以上に、時に神たる存在Xさえ凌駕するのではないかという”何か”があるような感じはするのですよね。

結局、ターニャはルーシー連邦に展開された防壁に一瞬 存在Xに似た感覚を感知しましたが、作戦終了後それ以上何か気にすることも、調べることもなく撤退してしまっています。そもそも今回 存在Xらが干渉してきたのは、果たして何のためだったのでしょう。彼らがジュガシヴィリに与えた恩寵はほとんど役に立ちませんでした。…まあ、結果としてはジュガシヴィリは生き延びていますし、恩寵のおかげといえば言えるのかもしれませんけどね。生き延びたジュガシヴィリが、またターニャにとって面倒な障害へとなっていくのかな?

ただ、存在Xらはターニャを殺すことを目的としているわけではありません(…のはず)。むしろ彼らの目的からすると、ターニャを殺してしまっては元も子もないんですよね。とはいえ信仰心云々だけならターニャ一人にこだわる必要もないし、メアリー・スー、ジュガシヴィリとターニャ以外にも信仰の象徴になるような人物を着々と増やしているんですよね。

ヴィーシャの来歴判明!!?家族と共に帝国に亡命していた??

ところで、今回のエピソードではヴィーシャことヴィクトーリヤ・イヴァーノヴナ・セレブリャコーフの来歴が明かされました(既に明かされていたかな??)。たしかに以前から彼女の名前には違和感があったんですよね。どう考えても、彼女の名前は帝国の人間の名前ではないでしたからね。

ヴィーシャは幼少の頃にルーシー連邦から帝国に亡命したのだそう。そしてその際に両親は命を落としているとのこと。そのため、ターニャはヴィーシャがコミー(共産主義者)に個人的に含むところがあると考えます。

その際にターニャがヴィーシャにかけた言葉は…

“憎悪に支配されない様にするなとは言えんさ だから軍務に忠実にある限りにおいて それを私は肯定する”

というもの。まあ、そういった感情は完全に否定することはできませんし、むしろ制限をつけることで ある程度は許容したほうが感情のコントロールという面でも賢いやり方ですね。

ただ…

当のヴィーシャ自身は亡命自体が幼少のことであることもあり、現在は特別ルーシ連邦に対する 感情的な執着はないそうで…。あるのはヴィーシャはルーシー連邦における多少の土地勘と言葉が使用可能ということです。

ヴィーシャとの会話の中で、そのことを知ったターニャは”ある悪い思いつき”をひらめき、映画制作会社に向かいます。ターニャ曰く”コミーというのはプロパガンダが大好きで映画が大好きで 寧ろ現実よりも重視する連中なのだ”とのこと。そのことを裏手にとってターニャが行ったこととは…

ターニャが監督・脚本!!? 帝国軍の映画撮影!!

ターニャがまず行ったのは映画制作会社で撮影機材一式と帝国国旗を手に入れることと、電波塔をジャックしてプロパガンダ用のスピーカを奪うこと。

そして、二〇三大隊の面々を動員して 合唱させた帝国国家をプロパガンダ用スピーカーをとうしてルーシー連邦中に拡散。そして、奪った撮影機材を使って大隊がルーシー連邦を制圧する映画(映像?)を撮影していきます。

正直なところ映画をとっても何の意味があるのかはわからなかったのですが…。撮影したところで、それをプロパガンダ的に使うにも、その映像を流すという必要があるはず。二〇三大隊は作戦終了後速やかに撤退してしまったので…。ちなみに今回カメラはターニャが回し続けていたので、彼女自身は映画の中には映っていません。この辺りは、のちの世にターニャの記録が残されていないという設定とつなげているのかな。

最後の仕上げとしてターニャは”様式美”として硫黄島の再現を行います。というのは、広場のど真ん中に帝国旗を掲げるというもの。これによって与えられる政治的インパクトは計り知れないものになるであろうとターニャは考えます。

そして、ターニャはその”様式美”によって動揺させられた連邦はモスコーの要塞化を迅速に進めるために、前線で必要となる物資と人員がそちらに回されると…。つまり”陽動”こそがターニャの最大の思惑でした。

相変わらず、恐ろしいほどに先読みをしていますね。とにかく今回の作戦でルーシー連邦の主要都市に大打撃を与えることに成功した二〇三大隊。果たして戦況はどう傾くのか…??


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